呉中央水産事件(広島地呉支部決平7・4・6) 公開質問状配布した執行委員長を解雇 合理的理由欠き権利濫用

1996.04.15 【判決日:1995.04.06】
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「組合活動の範囲」の判断に疑問残る

筆者:弁護士 開原 真弓(経営法曹会議)

事案の概要

 中央卸売市場の卸売業者として公共的性質を有する会社が、時間短縮を行い、営業手当等の削減をすることにつき従業員の理解を求めたところ、従業員のほとんどが理解を示したにもかかわらず労働組合の執行委員長が反対し、組合の決議も得ることなく組合名の公開質問状を作成し、会社だけでなく会社の主要取引先、市役所等に配布したため、業界紙にも掲載された。右質問状の内容は、営業手当はみなし残業手当であり、生活給であるからそのカットは実質賃金カットであること、会社による多額の未回収債権の放置、子会社に対する役員の経営責任、役員報酬の不明朗支出等を指摘するものであった。会社は事実関係を調査の上、組合委員長に対し普通解雇処分を行った。

 これに対し組合委員長は、本件解雇は正当な組合活動を理由としてなされた不当労働行為(労働組合法7条1号)であり、客観的に合理的な理由を欠き権利濫用である、と主張して、地位保全等の仮処分を求めた。

 会社は、本件質問状の作成、配布は組合委員長が組合活動と関係なく個人的に会社の信用を失墜させることのみを目的としてなしたものであり、内容も労使交渉対象外の事項である上、虚偽を含むものであるから、本件解雇は不当労働行為ではなく、会社として解雇回避の努力もしているから解雇権濫用にもあたらないと主張して争った。

決定のポイント

 裁判所は次の通り判断し仮処分を認容した。

 本件解雇は…

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平成8年4月15日第2101号10面 掲載

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