労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2019.01.31 【判決日:2018.04.24】
井関松山製造所事件(松山地判平30・4・24) 同じ製造ライン配属の無期と有期で手当相違? 家族手当の不支給は不合理
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 均等待遇

 無期契約者と同じ製造ラインで働く有期労働者が、賃金の相違は不合理として手当の支給などを求めた。松山地裁は、ミス発生時の対応など責任の程度は異なるが、有期も配偶者等がいて生活費が増えるのは同じとして家族手当の不支給を不合理と判断。その他住宅や精勤手当の賠償も命じた。賞与は寸志が支給され、正社員登用の実績があることも勘案して請求を斥けた。……[続きを読む]

2019.01.24 【判決日:2018.03.22】
阪急トラベルサポート事件(東京地判平30・3・22) 派遣添乗員が固定残業代の導入は無効と訴える 就業規則の不利益変更 登録型に類推適用
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 派遣
  • 賃金・賞与

 登録型派遣添乗員が導入された定額残業代の無効などを求めた。事業場外みなし制は適用されず日当は8時間分の対価と主張した。裁判所は、労働契約を異にし就業規則変更の概念には当たらないが、相当期間同条件で契約は繰り返され労契法の趣旨から変更は無制約に許されないと判断。経営状況から8時間の対価とするのは困難ななか、導入前より日当は増えるなど合理的……[続きを読む]

2019.01.17 【判決日:2017.11.28】
公財東京横浜独逸学園事件(横浜地判平29・11・28) 19年間有期契約の語学教諭が雇止め無効求める 基幹業務で高度の更新期待
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)

 約19年間にわたり契約更新されてきた語学教諭が、雇止め無効を訴えた。横浜地裁は、更新手続きが形骸化していたとはいえないが、教員業務は基幹的な業務であり、勤続20年まで昇給があるなど長期の更新も想定されていたとして、更新期待は相当高度と判断。雇止め理由とされた数々の能力不足等は認められないとした。賞与も基本給から算出可能として支払いを命じ……[続きを読む]

2019.01.10 【判決日:2018.04.19】
相鉄ホールディングス事件(横浜地判平30・4・19) バス運転士の出向解除、「元」で清掃業務命じる “職種限定の合意”を認めず
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  • 配転・出向

 バス事業の分社化に伴い子会社へ在籍出向させていた運転士ら58人に復職を命じ、清掃業務に従事させたこと等が配転命令権の濫用に当たるか争った。横浜地裁は、職種限定の合意は認められないとして請求を斥けた。就業規則に配転等の条項があり、他職種へ異動実績もあった。清掃業務は再出向までの一時的な期間で、復職後の処遇などを踏まえ、著しい不利益とはいえ……[続きを読む]

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