労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2016.09.26 【判決日:2015.03.27】
アンシス・ジャパン事件(東京地判平27・3・27) 二人体制で人間関係悪化、調整怠ったと会社訴える 心身の健康配慮義務に違反
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  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 「二人体制」の部署でリーダーを務める従業員が、人間関係の悪化などから業務遂行は困難で、会社は職場環境を整える義務を怠ったとして損害賠償等を求めた。東京地裁は、指揮監督権を有する部長が心身の健康を損なわないよう注意する義務を負うと判断。同僚から事実でないパワハラで訴えられるなど強い心理的負荷が認められ、配転や負担軽減が必要だったとして慰謝……[続きを読む]

2016.09.19 【判決日:2015.12.03】
市進事件(東京高判平27・12・3) 「有期は50歳上限」就業規則改定し塾講師を雇止めに 年齢理由の更新拒否認めず
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 就業規則で50歳不更新制度を導入し、勤続20年の塾講師を雇止めした事案。一審で無効とされた塾が控訴した。東京高裁は、50歳で質の高い授業ができなくなるとは認められず、制度導入に高度の必要性は肯定できないと判断。10年の代償措置である満60歳までの特嘱制度廃止後も50歳を超える者が存在し、本人の評価も劣悪といえないなど雇止めに合理性はない……[続きを読む]

2016.09.12 【判決日:2015.11.16】
NHK(フランス語担当者)事件(東京地判平27・11・16) 震災後国外へ、職務放棄した外国人の委託解除は? 安全優先で退避に責任なし
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 業務委託でアナウンス業務を行うフランス人女性が、東日本大震災の数日後に連絡のうえ出国したところ、契約解除条項に基づき解除されたため無効等と訴えた。東京地裁は、安全優先の態度を無責任とは責められず、同様に避難した6人とは契約更新するなど、避難自体を解除条項に当たると解するのは均衡を欠くと判断。更新機会やその合理的期待を奪い不法行為とした。……[続きを読む]

2016.09.05 【判決日:2016.05.13】
長澤運輸事件(東京地判平28・5・13) 定年後再雇用で賃金3割減、正社員との差額求める 職務や責任は同一で不合理
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 賃金

 定年後の嘱託再雇用で賃金を約3割引き下げられたドライバーが、正社員との賃金差額等を求めた。東京地裁は、職務内容や配置変更の範囲、責任の程度は同一としたうえで、新規採用者よりも賃金水準を低くする経営・財務上の必要性はないなど、労働条件の相違を正当と解すべき特段の事情は認められず、労契法20条違反と認定。正社員就業規則を適用し請求を認めた。……[続きを読む]

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