労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2016.06.27 【判決日:2015.09.11】
北海道市町村職員退職手当組合事件(札幌高判平27・9・11) 業務上横領して退職金なし、被害18万円で重すぎ? 懲戒免職相当で不支給妥当
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  • 賃金
  • 退職金

 死亡した地方公務員の退職手当を、業務上横領を理由に全額不支給とされた遺族が処分取消しを求めた。被害額18万円に比べ処分を重すぎるとした一審に対し、支給事務を行う組合が控訴した。札幌高裁は、懲戒免職相当時は原則不支給の運用方針で、公金の不正な着服は額を問わず非難が大きく、反省せず弁償もないなど、約20年間勤続したが不支給処分相当とした。……[続きを読む]

2016.06.20 【判決日:2015.10.30】
甲社事件(東京地判平27・10・30) 派遣元移り同職場で就労、くら替え社員に賠償請求 3年の競業避止長すぎ無効
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  • 派遣

 派遣会社が、競業する派遣会社に転職した元従業員に対し競業避止規定に反するとして損害賠償を求めた。転職後も同じ派遣先で就労しており引き抜きの有無も争った。東京地裁は、1年勤務したに過ぎず3年の競業避止は長いこと、割増賃金も未払いだったことから、転職の禁止に合理性はなく公序良俗に反し無効と判断。転職先や派遣先との共謀も認められないとした。……[続きを読む]

2016.06.13 【判決日:2015.09.30】
アールエス興業事件(横浜地裁川崎支判平27・9・30) 勤務日選択できる「フリーシフト制」で年休権なし? 6年半以上中断もなく継続
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  • 年休

 労使で合意した日のみ就労する「フリーシフト制」の労働者が、退職までの3年間に60日の年休を取得したとして未払賃金を求めた。年休権成立に必要な継続勤務したかが争われた。横浜地裁川崎支部は、6年半以上中断なく継続したと推認。期間を定めない契約で、会社が勤務日を指定しなければ免除する特質を有するとした。8割以上出勤した1年分のみ請求を認容。……[続きを読む]

2016.06.06 【判決日:2015.10.22】
穂波事件(岐阜地判平27・10・22) 店長が割増請求、時間外見合いの手当支給で合意? 83時時間の固定残業代は無効
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  • 割増賃金
  • 賃金

 飲食店店長が労基法の管理監督者ではないとして割増賃金を求めた。月83時間相当の固定残業代10万円を手当で支給する旨記載した書面に署名押印があるが、岐阜地裁は、経営者と一体的立場とはいえず名ばかり管理職としたうえで、限度である45時間の2倍近いことから公序良俗に反し、合意を無効と判断。手当は残業対価とはいえず割増計算基礎に算入すべきとした……[続きを読む]

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