労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 過去10年分に渡り掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2016.05.30 【判決日:2015.09.16】
ハマキョウレックス事件(大津地裁彦根支判平27・9・16) 契約ドライバーは諸手当なし、正社員との差額請求 通勤手当の相違のみ不合理
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 契約社員のドライバーが、正社員にのみ諸手当等が支給されるのは、労契法に抵触する不合理な労働条件として差額を求めた。大津地裁彦根支部は、業務自体差はないが、異動や中核人材としての登用の有無を考慮して、住宅手当等6種類の手当や一時金、退職金の不支給は不合理とはいえないと判断。支給額に差を設けた通勤手当のみ実費弁償という性格から違法とした。……[続きを読む]

2016.05.23 【判決日:2015.09.29】
ANA大阪空港事件(大阪高判平27・9・29) 元従業員らが廃止済み退職功労加算の支払い求める 「内規」で拘束力は及ばない
ジャンル:
  • 就業規則
  • 就業規則の周知
  • 退職金

 元従業員らが、退職金の功労加算の支払いを求めた。支給基準を定めた内規は就業規則と一体で、廃止された平成20年までに基準を満たしていたと主張した。請求を斥けた一審同様大阪高裁も、内規を届け出ていないなど就業規則とはいえず拘束力はないと判断。労組の協定化要求を会社が拒否した経緯もあり、労働契約とする意思はなく労使慣行も認められないとした。……[続きを読む]

2016.05.16 【判決日:2016.02.19】
山梨県民信用組合事件(最二小判平28・2・19) 吸収合併され退職金ゼロ、同意書への署名効力は? 「不利益性」の説明が必要に
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 吸収合併した信組の退職金支給基準を個別合意を得て変更し不支給としたところ、旧規程に基づき退職金を求められた。原審は同意書に署名押印があるとして請求を斥けたが、最高裁は、合意は自由意思に基づく必要があり、不利益の内容や程度を説明したか判断すべきところ、原審は考慮しておらず審理のため差し戻した。合併先の従前職員との関係でも均衡を欠くとした。……[続きを読む]

2016.05.02 【判決日:2015.08.28】
中央労働基準監督署長事件(東京地判平27・8・28) 海外営業所代表が病死、出張中と労災請求も不支給 特別加入せず保険給付なし
ジャンル:
  • 労災

 海外営業所の代表として赴任し現地法人の総経理を兼務する者が急性心筋梗塞で死亡、遺族が出張中の労災として給付請求した。海外派遣の特別加入をせず不支給とされたため処分取消しを求めた。東京地裁は、派遣と出張の区分は滞在期間の長短でなく指揮命令関係等から判断すべきとした。独立事業場に属し、責任者の立場にあることから派遣と認めて請求を斥けた。 現……[続きを読む]

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