労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 過去10年分に渡り掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2015.11.23 【判決日:2015.01.29】
医療法人一心会事件(大阪地判平27・1・29) 業務請負の看護師、年俸制で実質労働者と割増請求 時間外部分計算できず無効
ジャンル:
  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 病院との間で業務請負契約のほかに、年俸制の契約を締結した看護師が、実態は労働者であるとして、時間外割増等の未払賃金を求めた。大阪地裁は、医師の指揮監督下の労働であるなど労働契約の性質を有するとしたうえで、年俸に割増賃金を含む合意があっても、割増部分が法定額を満たしているか確認できず、そのような支払方法は無効とした。付加金の支払いも命じて……[続きを読む]

2015.11.16 【判決日:2015.01.15】
西日本鉄道(B営業所)事件(福岡高判平27・1・15) バス運転士として採用、勤務不良理由に職種変更? 自由意思に基づく同意あり
ジャンル:
  • 労働契約
  • 職種限定合意

 バス運転士が、職種限定で採用され、清掃業務等への職種変更は無効として退職後に賃金等を求めた。一審は、解雇事由があり現職に留まるのは困難なことから変更に同意したものと判断。福岡高裁は、解雇事由の有無にかかわらず同意することもあるとしたうえで、苦情や事故件数から乗務は困難で、面談で自ら変更を希望したことに照らし、自由意思による同意とした。……[続きを読む]

2015.11.09 【判決日:2015.03.04】
フォーカスシステムズ事件(最大判平27・3・4) 過労死に民事損害賠償、労災保険との併給調整は? 元本から給付分を差し引く
ジャンル:
  • 労災
  • 損害賠償

  過労死により遺族に損害賠償が認められた場合、遺族補償年金を賠償額からどう差し引くかが争われた。利息である遅延損害金を除いた元本から差し引くとした二審は、平成16年の最高裁判決に反するとして遺族が上告した。最高裁は、遺族補償年金が填補の対象とする損害と、同性質かつ相互補完性を有する元本との間で損益相殺的な調整をすべきとして、請求を斥けた……[続きを読む]

2015.11.02 【判決日:2014.08.27】
ヒューマンコンサルティング事件(横浜地判平26・8・27) いじめ理由に解雇され会社の事業譲渡先に賃金請求 法人格濫用で債務承継する
ジャンル:
  • 労働契約
  • 承継

 いじめや職務怠慢を理由とする解雇は無効として、解雇後に事業譲渡された会社等に対して賃金等を求めた。横浜地裁は、解雇事由は認められないとしたうえで、労組の執拗な要求や残業代等を免れるために新法人を設立したと推認した。会社間で法人格の使い分けはなされず一体の組織と判断。法人格濫用の法理を適用し、解雇無効により生じる債務は譲渡先が負うとした。……[続きを読む]

年月アーカイブ

ページトップ