労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2015.04.27 【判決日:2015.02.26】
海遊館事件(最一小判平27・2・26) 管理職がセクハラ発言、出勤停止無効とした原審は 著しく不適切な行為と覆す ★
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  • セクハラ
  • 女性

 セクハラ発言や出勤停止や降格された管理職2人が、処分無効を求めた。原審は事前に注意もなく重い処分で無効としたが、最高裁は、被害の申告があるまで会社に事実を認識すえる機会はなかったとしたうえで、行為は1年余りくり返され職責に照らし著しく不適切と判断。退職の一因となり企業秩序や職場規律への有害な影響は看過し難く、処分を社会通念上相当とした。……[続きを読む]

2015.04.20 【判決日:2014.08.26】
泉レストラン事件(東京地判平26・8・26) コンビニ店長が割増請求、固定残業代の有効性は? 時間外労働の対価といえず
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  • 割増賃金
  • 賃金

 コンビニ店長2人に対し退職後に未払割増賃金を支払ったが、固定残業代の有効性をめぐってさらに割増賃金を求められた。東京地裁は、管理監督者に相当するポスト職を除く全員に対して、基本給や業務手当の3割相当額などを時間外勤務手当に充当していたが、恒常的な時間外労働の対価として合理的とは認められないと判断。割増賃金と同額の賦課金の支払いも命じた。……[続きを読む]

2015.04.13 【判決日:2014.07.10】
資生堂ほか1社事件(横浜地判平26・7・10) 発注元に受注量半減され請負7人を解雇や雇止めに 解雇回避努力尽くさず無効
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 派遣から請負に切り替えて雇用した主婦7人を、受注半減に伴い解雇や雇止めにしたところ、地位確認などを求められた。横浜地裁は、減産通告から10日ほどで解雇を通知し、希望退職の募集に金銭的な上積みもないなど、人員削減回避の措置を尽くしたとは言えないと判断。経営も危機的状況にないとした。受注減少を考慮して各月の賃金が前年平均額の5割で認めた。……[続きを読む]

2015.04.06 【判決日:2013.01.31】
リーディング証券事件(東京地判平25・1・31) 1年有期の外国人を6カ月の試用期間中に中途解雇 「留保解約権」の行使は有効
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  • 労働契約
  • 試用期間

 雇用期間1年間のうち6カ月を試用期間として雇われた韓国人の証券アナリストが、採用後2か月半で解雇されたため地位確認などを求めた。東京地裁は日本語能力などの判定は3カ月で十分としたうえで、能力は期待のレベルに遠く及ばないほか、採用時の課題を夫が手伝った事実が明らかになり、使用者との信頼関係を喪失させたとして留保解約権の行使を有効とした。……[続きを読む]

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