草加ダイヤモンド交通事件(浦和地越谷支部決平8・8・16) 女性運転者が深夜含む勤務への変更を拒否 業務命令違反での解雇無理 ★

1997.10.27 【判決日:1996.08.16】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

不利益変更には本人の同意必要

筆者:弁護士 開原 真弓(経営法曹会議)

事案の概要

 本件債権者X(女性)は、平成3年7月に会社にタクシー乗務員として雇用され、隔日勤務制(深夜勤務を含む)か日勤制(昼間勤務のみ)かという勤務制の合意は明確ではなかったが、現実の勤務状態としては日勤勤務をしていた。

 平成4年になると景気が低迷し、タクシー業界の乗務員不足の状況が改善され、会社としては稼働率が悪い日勤制を廃止して、深夜勤務を伴い終日稼働で効率の良い隔日勤務制に移行させる方針を打ち出し、労働組合と協議し、平成7年1月、日勤を廃止する旨の労働協約が成立し、同年3月、会社は日勤を廃止する内容の就業規則の変更をした。

 会社は、Xに対し、日勤廃止の通告をし、同年3月24日、暫定的に3カ月だけ日勤制を延長する旨の雇用契約書の提出を求めたが、あくまで日勤制として扱うように付記して右契約書を提出したため、会社は受け取りを拒否し説得を試みたが、Xは応じないので、隔日勤務に従事すべき業務命令と処分の警告を発した。

 しかし、Xは右業務命令に従わなかったため、会社はXに対し、解雇を通告した。

 Xは右解雇は解雇権の濫用で無効であるとして、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と雇用契約上の賃金請求権により毎月金39万円余を求めた申請に対し、賃金請求に対しては請求の3分の1相当の毎月金13万円(2年間)を認め、その余の賃金仮払請求は却下した。

決定のポイント

 Xの雇用の際の合意内容は曖昧であり、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成9年10月27日第2174号10面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。