カキウチ商事事件(神戸地判令元・12・18) ホームページの募集条件より賃金低いと訴える 求人票には手当込みと記載

2020.06.04 【判決日:2019.12.18】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 会社ホームページの求人欄では「月給35万円」だったとして、元トラック運転手が実際に支給された賃金との差額を求めた。労働条件は書面で明示されなかった。神戸地裁は、職安の求人票では手当を含め35万円以上と記載されていたほか、面接時の説明などから基本給と認識していたとは認められないと判断。運送会社の勤務歴があり、賃金体系を把握、認識していたことも考慮した。

同業で勤務歴あり 賃金の体系を認識

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 本件は、Y(運送事業者)の従業員(トラック運転手)であったX1およびX2が、Yに対し、労働契約に基づき、未払賃金等の支払いを求めた事案である。

 Yが、平成28年1月6日受付(紹介期限3月31日)でハローワークに申し込んだ求人票には、「15トンウイングトラック運転手(正社員)として、基本給13万円~15万円、基本給+精務給+各種手当で35万円~、試用期間は3カ月で、その間、日給9000円~(経験・能力による)」との記載があった。

 Xらは、Yに入社する前に別会社でトラック運転者として就労し、Xらはそれぞれ3カ月平均で約30万円程度(うち基本給約14万程度)の賃金を得ていた。

 X1は、同年5月下旬に別会社よりもYの方が賃金が高いと聞き、Yのホームページを確認すると、大型ドライバーで月給36万円以上との条件が記載されており、Xらは、Yの採用面接に臨んだ。面接では、取締役が労働条件を説明し、Xらは試用期間が通常3カ月で、試用期間中には日給9000円であるとの説明を受けた。

 X1は同年6月17日から、X2は6月15日から、それぞれYで就労し、YはXらに日給9000円に就労日数を乗じた金員を支払った(X2について、4日間は関東以外の2人乗車の就労であったため日給6000円)。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和2年6月8日第3260号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。