国・中労委(N)事件(東京地判平30・12・20) パワハラ事実ないと団交拒否し不当労働行為? 交渉の本質的要求と認めず

2020.03.19 【判決日:2018.12.20】
  • TL
  • ツイート
  • シェア
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

  • コメント

 団交で雇止め撤回やパワハラの謝罪を求められた会社が、雇止め理由は十分説明し、パワハラもないとして交渉を打ち切った事案。会社は、パワハラをめぐる団交拒否を不当とした中労委命令の取消しを求めた。東京地裁は、団交の本質的な要求は雇止め撤回と判断。パワハラの有無を録音等の証拠に基づき議論できないなど、交渉に応じなかったのもやむを得ないとした。

雇止め理由は説明 中労委判断を覆す

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 ア Y社は郵便の業務等を営むことを目的とする株式会社である。X労組は、Y社の期間雇用社員等により組織された労働組合である。

 イ Aは、Y社に吸収合併されたZ社との間で、平成22年4月より期間を6カ月とする有期雇用契約を締結・更新し、平成24年10月より、Y社との間で期間を6カ月とする有期雇用契約(以下「本件雇用契約」)を更新した。

 ウ それに先立つ平成24年4月、Xは通勤災害に遭い治療のため欠勤を続けた。同年8月23日、Y社のB副部長はXに対し電話で、欠勤状態にあるもののY社に在籍しているためにY社は要員不足のまま人員補充ができないこと、欠勤が続けば同年9月30日を以て雇用契約が終了する旨を伝えた(以下、B副部長の発言を「B副部長発言」)。それを受け、雇止めを恐れたAはX労組に加入した。

 エ 同年10月には本件雇用契約が更新されたものの、これ以降Aの勤務実績はなく、職場復帰の見込みもないとして、Y社は、平成25年2月27日に、Aに対し、同年4月以降は本件雇用契約を更新しない旨を通知した。

 オ X労組は、雇止めの撤回を求めてY社に団交を申入れ、平成25年3月に2回の団交が行われた。その席上、大要、X労組は、雇用契約が更新を重ねている場合には雇止めが許されないこと、Y社は、本雇用契約の更新回数、通算期間に照らして解雇法理が類推適用される可能性はなく、また、Xの勤務実績に鑑みれば契約不更新については客観的かつ合理的な理由が存在すると主張した。

 また、席上、AはB副部長発言について、「私が働かない限り新しい人員を雇えないから迷惑だっていうことを言われたんです。それもパワーハラスメントじゃないんですか」との指摘をした。

 X労組は、雇止めの質疑の中で、B副部長につき、退職強要を意図したものであり、Xが辞めなければ新たに人員を雇えないという同発言が嘘であったと指摘したところ、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
令和2年3月23日第3250号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ