大阪いずみ市民生協事件(大阪地裁堺支判平15・6・18) 懲戒解雇は報復と内部告発者が損害賠償求める 告発自体に正当性認める

2004.04.05 【判決日:2003.06.18】
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 内部告発を巡る懲戒解雇に対する地位保全命令に基づき処分を撤回され復職した生協職員が、名誉毀損などを理由として役員に損害賠償を求めた事案。方法・手段に相当性を欠く面があったが告発自体には正当性があるとし、処分を主導した役員を共同不法行為者としてその責任を認容した。

手段が不相当でも 内容など総合判断

筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、生協に職員として勤務する原告ら3人が、生協の副理事長であった被告Aや専務理事であった被告Bらに生協が私物化されているとの内部告発を、生協の総代に対して行ったところ、被告らに懲戒解雇されるなどの報復等を受け、また名誉を侵害されたと主張し、被告らに対し不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。

 なお原告らは本訴に先立ち、生協に対し地位保全等の仮処分を求め、裁判所より地位保全等仮処分決定が出され、生協は原告らへの懲戒解雇を撤回し原告らを職場に復帰させている。

 本件の争点は多岐に亘るが、本欄では内部告発と懲戒解雇に関する論点に絞って検討する。

判決のポイント

 ① 内部告発においては、これが虚偽事実により占められているなど、その内容が不当である場合には、内部告発の対象となった組織体等の名誉・信用等に大きな打撃を与える危険性がある一方、これが真実を含む場合には、そうした組織体等の運営方法等の改善の契機ともなりうるものであること、…

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平成16年4月5日第2483号14面 掲載
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