フォーカスシステムズ事件(東京高判平24・3・22) うつ病で過剰飲酒し死亡、過失2割の一審判断は? 健康管理を怠り3割に増額

2012.11.26 【判決日:2012.03.22】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 過度のアルコール摂取で死亡したのは過重労働によるうつ病が原因として、SEの遺族が損害賠償を求めた事案の控訴審。東京高裁は一審同様、配転や月100時間を超える時間外労働など、強度の心理的負荷による疾患発症と死亡との相当因果関係を認めたが、ゲームやブログに時間を費やし睡眠不足解消の努力を怠ったとして、過失相殺割合を2割から3割に増やした。

ブログ等で寝不足 自ら疾患増長させ

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社(株式会社フォーカスシステムズ)は、コンピューター、その周辺機器、関連機器、通信機器およびそのソフトウエアの開発、設計・製造、販売、賃貸ならびに輸出入などを業とする企業である。

 甲は、平成15年4月に会社にシステムエンジニアとして採用され、通信ネットワーク関係のシステム設計、構築および運用試験などの業務に従事していたが、同18年7月に異動となり、携帯電話端末の組み込みソフト開発チームの所属となった。甲は当初ベテランの従業員と組み、調査検討業務などに従事していたが、改修や再試験実施に手間取った結果、当初引渡し予定であった同年8月中旬時点で、予定の業務の30%程度しか進行せず、その結果甲の残業時間も増加していった。9月頃になると、作業を急ぐ必要から、経験が少なかった甲は合同作業から外され、社内で単体試験の担当を命じられた。甲はもともと残業や徹夜での作業も多かったものの、8月ぐらいから自宅で疲れた様子をみせるようになり、休日なども以前とは異なり家で寝続けることが多くなっていた。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成24年11月26日第2898号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。