震災の津波で死亡、安全配慮義務違反なしの一審は 入手可能な情報では予見困難 七十七銀行(女川支店)事件(仙台高判平27・4・22)

2016.03.28 【判決日:2015.04.22】

 震災の津波で亡くなった従業員の遺族が、会社に安全配慮義務に基づき損害賠償を求めたが棄却されたため控訴。仙台高裁は、災害規程の避難場所に屋上を追加したことは、臨機応変に場所を選べる観点から合理性があり、津波到達予定時刻までの情報からは屋上を超える危険性は予見できず、避難場所を変更しなかったことも移動中被災する危険性があり義務違反はないとした。

屋上避難は合理的 移動も危険性高い

筆者:弁護士 緒方 彰人(経営法曹会議)

事案の概要

 被控訴人は、仙台市に本店を置く地方銀行である。

 被控訴人女川支店に勤務していた従業員らのうち12人は、平成23年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」という)による津波に流されて死亡しまたは行方不明となった。

 そこで、同従業員らのうち3人の遺族(控訴人ら)が、被控訴人に対して、①地震発生時の津波避難場所として被控訴人女川支店の屋上(以下「本件屋上」という)を追加した点、②本件地震発生後に、本件屋上への避難指示を行った点、③本件屋上への避難後、大津波警報の内容等に応じてより高所に避難することのできる堀切山へ避難場所を変更しなかった点において、安全配慮義務違反があったとして損害賠償請求訴訟を提起した。

 原審(仙台地判平26・2・25)は控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らが控訴した。…

この記事の全文は、読者専用サイトにてご覧いただけます。
読者専用サイトへログイン 読者専用サイトへはこちらからログインしてください。
※読者専用サイトは、定期刊行物(労働新聞または安全スタッフ)の購読者専用のサイトです。詳細・利用方法は、読者専用サイトのご案内をご覧ください。
掲載 : 労働新聞 平成28年3月28日第3058号14面

あわせて読みたい

ページトップ