企業組合中央雇用福祉事業団事件(東京地判平7・5・25) 理事との諭争で脳出血と損害賠償請求 相当因果関係認めず棄却

1995.10.09 【判決日:1995.05.25】
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社会生活上一般に認められる範囲内

筆者:弁護士 安西 愈

事案の概要

 原告は、T雇用福祉事業団(以下「被告企業組合」という)の組合員で、営業部員として営業活動をしていたところ、被告企業組合が営業部門を廃止し、事業部門制に移行させたことに伴い被告企業組合から事業部門で就業するよう説得を受けていたにもかかわらず、従来どおりの営業活動をしていた。そこで、被告の理事長以下被告ら3名が原告に対し、営業活動をしないで現場で就労するよう説得行為をなした。

 原告は、右被告3名は原告が高血圧症であることを認識しながら原告を極度の緊張状態に追い込み傷病を発症させる意図の下になし、この結果、原告は脳出血に罹患したとして、右被告3名に対して民法719条1項、709条に基づき、被告企業組合に対しては、中小企業等協同組合法、民法44条1項に基づき、逸失利益、慰謝料等の損害賠償を求めたものである。

判決のポイント

 ①被告企業組合の理事長である被告Aが原告に対し、事業部において就労すべき旨を説得した行為は正当な目的をもってなされたということができ、この席に理事である被告Bおよび被告Cが同席したこと自体、何ら非難される点はない。

 ②原告は、被告3名が、原告が高血圧であることを知りながら、原告を極度の緊張状態に追い込み、疾病を発症させる意図の下に右説得行為に及んだ旨主張するが、右主張事実を認めるに足りる証拠はない。

 ③本件論争直後の原告の自覚症状および他覚的所見によれば…

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平成7年10月9日第2076号10面 掲載

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