半田労基署長<日本油脂>事件(名古屋地判平8・1・26) 執務室で倒れ翌朝脳内出血死!労災は 業務起因性なく業務外に

1996.09.02 【判決日:1996.01.26】
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高血圧症にも拘らず自己管理を怠る

筆者:弁護士 開原 真弓(経営法曹会議)

事案の概要

 日本油脂の研究所に管理職として勤務していた者が、月例の研究発表会及び文献報告会に出席した後業務打ち合わせを行い、所定労働時間終了後執務室で倒れ、翌朝脳内出血により死亡した。業務上の死亡であるとして、半田労働基準監督署長に対し遺族補償給付及び葬祭料の請求をしたところ不支給処分がなされ、審査請求及び再審査請求も棄却されたため、監督署長を被告として不支給処分の取消しを求めた。

判決のポイント

 裁判所は以下の理由により請求を棄却した。

 業務と死傷病との間に業務起因性があるというためには、業務と死傷病との間に相当因果関係の認められることが必要であり、かつこれをもって足りる。

 この理は脳内出血等の非災害性労災に関しても同様である。

 右相当因果関係が認められるには、①業務に死傷病を招来する危険性が内在ないし随伴しており、当該業務が危険性の発現と認めるに足りる内容を有し過重負荷と認められる態様のものであること(業務過重性)が必要であり②脳内出血等の脳血管疾患の発症については複数の原因が競合して発症したと認められる場合が多いことに鑑み、単に業務が発症の原因となったことが認められるだけでは足りず、当該業務が加齢その他の原因に比べて相対的に有力な原因と認められることが必要である。

 「業務過重性の判断」に当たっては、当該業務に従事することが一般的に許容される程度の基礎疾患等を有する労働者であり、これまで格別の支障もなく同業務に従事している事情が認められる場合は当該労働者を基準にして、社会通念に従い、当該業務が労働者にとって自然的経過を超えて基礎疾患を急激に憎悪させる危険を生じさせるに足りる程度の過重負荷と認められるか否かにより判断するのが相当である。

 本件では、当該労働者が…

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平成8年9月2日第2119号10面 掲載

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