宮崎紙業事件(大阪地判平8・1・24) 労働組合のビラ配布行為と名誉毀損 表現手段の相当性認める

1996.08.12 【判決日:1996.01.24】
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社会的評価への影響は「受忍すべき」

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは会社(宮崎紙業株式会社)の非常勤の人事部長である。総評全国一般大阪地連松屋町労働組合宮崎紙分会(組合)は、従業員33名中4名で組織されている。組合は、平成6年9月27日、地下鉄中央線長田駅出ロでビラAを、また、平成7年1月10日、大阪中央区の「マイドームおおさか」で開催された大阪文具紙製品生産者大見本市の会場付近でビラBを、不特定多数人に配布した。

 会社およびXは、組合のビラ配布行為が名誉毀損に該当すると主張して、組合および分会長Yに対して慰謝料50万円の損害賠償請求の訴えを提起した。配布されたビラには、「パイプ椅子・暴行傷害事件の裁判提起、解決」との大見出しのもと、(Xが)団体交渉の席上においてパイプ椅子を振り上げ組合員らに向かって投げつけてきたという事件が、裁判和解によって一応解決したこと、和解内容は会社の要望により公表しないことになったこと、その後も事件を引き起こした人物を公然と雇い続け、労使の関係改善に努力し切望してきた私たちを裏切っていること、このような人物がやめない限り労使の関係正常化は望めないこと、などの表現がある。

 会社は、Xがパイプ椅子を投げつけていないし、組合員に傷害を与えていない。ビラの記載および「会社が裁判所へ提出した再現資料」と付記して、Xがパイプを持ち上げたところを撮影した二葉の写真のコピーの掲載は、Xが組合員に傷害を負わせたとの事実を推測させ、第三者に誤解を与え、Xの名誉を毀損し、それによって会社の社会的評価を低下させると共に、会社がXを雇用し続け、社会的弱者をいじめる企業倫理のかけらもない会社であると指摘し、会社の社会的評価を低下させた、などを主張している。

判決のポイント

 労働組合の情宣活動として行われるビラ配布行為の正当性如何が論点であるが、本判決はおよそ次のように判示して会社およびXの請求を棄却した。…

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平成8年8月12日第2116号10面 掲載

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