労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2016.10.31 【判決日:2015.12.25】
東京メトロ事件(東京地判平27・12・25) 駅係員が電車内で痴漢、逮捕され諭旨解雇の効力は 社会的影響小さく懲戒重い
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務外非行

 電車内の痴漢行為で逮捕され諭旨解雇された駅係員が処分無効を求めた。東京地裁は、略式命令の罰金20万円は処罰として悪質性の低い行為であり、マスコミ報道など社会的に周知もされず、企業秩序に与えた悪影響の程度は大きくないと判断。示談は成立に至らなかったが処分は重きに失するとした。懲戒委員会から弁明機会も与えられず手続きの相当性も疑義が残るとし……[続きを読む]

2016.10.24 【判決日:2015.08.10】
阪急バス事件(大阪地判平27・8・10) 24時間交替勤務の助役、独自に日報作成し割増請求 休憩の一部未取得に付加金
ジャンル:
  • 仮眠時間
  • 労働時間

 一昼夜勤務する営業所の助役が、独自に作成した日報に基づき、5時間の仮眠や3時間の休憩は労働時間であるとして割増賃金を求めた。大阪地裁は、日報の内容は客観的事実と異なり信用性を欠き、残業に必要な支社長の承認もないなど労働時間の記録とは評価できないと判断。仮眠中は労働から解放されているが、休憩には一部労働が含まれるとして割増賃金と付加金を認……[続きを読む]

2016.10.17 【判決日:2016.07.26】
ハマキョウレックス事件(大阪高判平28・7・26) 契約社員は手当なし、通勤手当のみ違法の一審は? 無事故手当など格差不合理
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 契約社員が正社員との手当格差の是正を求め、通勤手当のみ違法とされた事案の控訴審。大阪高裁は、正社員の福利厚生を手厚くする目的の合理性を認めつつ、無事故・作業・給食手当は、職務や配転の有無と関係なく支給され、格差を不合理と認定。住宅手当は正社員が配転に備え賃貸に住むなど負担が見込まれ、皆勤手当は契約社員の勤怠を時給に反映し、不支給でも不合……[続きを読む]

2016.10.10 【判決日:2016.01.26】
三菱重工業事件(東京地判平28・1・26) 病気で家族の支援必要、原職場復帰困難と配転要求 復職命令拒否での解雇有効
ジャンル:
  • 業務命令違反
  • 解雇
  • 配転・出向

 精神疾患で欠勤中に実家付近へ転居し、復職には家族の支援が必要として、通勤可能な事業所へ配転を求めたところ会社に拒否され、原職場への復職拒否により解雇された事案。東京地裁は、特殊な専門分野である技能職の配転は前例がないなど想定外と判断。生活支援は家庭の課題で、復職申出は債務の本旨に従ったものといえず、復職拒否を重大な業務命令違反とした。……[続きを読む]

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