パピルス事件(東京地判平5・7・23) 営業を内容とする労務提供は雇用契約か業務委託契約か?

1994.04.11 【判決日:1993.07.23】
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支配従属関係の有無で判断

筆者:弁護士 畑 守人(経営法曹会議)

事案の概要

 被告はコンピューターシステムのマニュアルの企画に関する業務等を目的とする会社であり、原告は、数社の勤務を経て平成元年1月以降フリーとなった、業務用オフコンのテクニカルライターである。原告と被告は、平成2年10月18日、月額20万円並びに交通費及び営業活動の実費を支給するとの条件で、コンピューターシステムのマニュアル作成の営業活動等を行うことを内容とする契約を締結し、原告は被告の業務統括部長の肩書を用いて営業活動に従事していた。

 原告は東京都内に居住していたが、平成3年2月下旬頃、宇都宮の実家が焼失し、その再建のために都内から通えないと被告に申し出た。そこで、被告が右契約が同月をもって合意解約されたとして、同年3月より報酬等を支払わなかったところ、原告は右契約が雇用契約であり、合意解約の事実はなく、被告は同月以降の報酬及び交通費・接待費を支払う義務があるとして、これを請求した。

 東京地裁は、右契約は業務委託契約であり、平成3年2月をもって合意解約されているとして、原告の請求を棄却した。

判決のポイント

 本件契約が雇用契約であるか否かは、…

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平成6年4月11日第2004号10面 掲載

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