みちのく銀行事件(仙台高判平8・4・24) 就業規則で業績給・賞与の支給率を削減 「高度の必要性」認める

1996.07.08 【判決日:1996.04.24】
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危機的状況に限定は非現実的と判断

筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、合併に際し60歳定年制を採用していたY銀行が、行員の高齢化による若年中堅層の管理職への登用の阻害など、人事の停滞による組織の硬直化とモラール低下を改善し、また、中高年齢層への人件費の配分を是正するとともに、高コスト(とりわけ高人件費率)体質を是正するため、左記のような就業規則の変更を行った。

 すなわち、第一段階として、専任職制度を設げ、①満55歳に達した管理職層者は専任職へ移行する、②専任職は基本給(本給+業績給)を凍結され、役職手当、管理職手当に代え専任職手当が支給される。

 第二段階として、新専任職制度を設け、③段階的に基本給のうち業績給を50%減額し、専任職手当を廃止する、④賞与の支給率を300%から200%に削減する。

 なお、右就業規則の変更に先立ち、Y銀行は、全行員の約74%を占める多数組合と労働協約を締結したが、Xら6名を含む少数組合(全行員の約1.1%)は労働協約の締結を拒否したのでY銀行は、就業規則を多数組合の協約と同一内容に変更し、Xら6名について就業規則を適用した。Xが就業規則の不利益変更の合理性を争い提訴。

 一審(青森地判平5・3・30)は、就業規則による労働条件の不利益変更の効力について、合理的な内容であれば、これに反対する労働者をも拘束するとの確立された判例法理(大曲農協事件=最判昭63・2・16)を前提にした上で、①及び②については合理性を認めたが、③及び④については、「業績給及び賞与の支給率の削減による賃金の不利益は大きく、これを正当化するために要求される必要性と内容の合理性の程度は、かなり高度なものを要するところ、Y銀行の経営状況からみて、その必要性の限度を超えた内容のものではなかったかという疑いが業績給の削減と賞与の支給率の削減を定めた部分は、それを正当化するに足りるだけの」局度の必要性に基づいた合理的な内容を備えたものとはいえない」と判示し、合理性を否定した。そこで、X・Yとも控訴。

判決のポイント

 本判決は、一審が合理性を否定した業績給の削減及び賞与の支給率の削減も含めて就業規則の改定及び賞与の支給率の変更につき、…

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平成8年7月8日第2112号10面 掲載

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