ユナイテッド・エアーラインズ事件(東京地判平31・3・28) 客室乗務員の所属部署閉鎖、職種転換拒みクビ 解雇回避措置講じたと評価

2020.05.21 【判決日:2019.03.28】
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 客室乗務員が、所属する成田ベース(部署)の廃止に伴い整理解雇されたため、地位確認を求めた。会社は、グアム路線を順次縮小し業務量が減少と主張した。東京地裁は、海外の部署への配属が事実上困難な中、年収が維持される地上職への職種転換の提案や割増退職金を支払う早期退職の募集を評価。解雇回避措置など整理解雇の4要素を満たすと判断し請求を斥けた。

地上職も年収維持 割増退職金を提案

筆者:弁護士 緒方 彰人(経営法曹会議)

事案の概要

 被告(旧CO社)は、国際旅客事業を営む航空会社である。平成25年3月、旧UA社を吸収合併しUA社に社名変更し、同29年4月に子会社であったCMI社を吸収合併した。

 原告らは、CMI社の客室乗務員(FA)(職種限定社員)であり、原告組合(労組)に所属していた。

 CMI社は、旧UA社の運航便(主としてグアムから放射線状に伸びる路線)において、FAによる機内サービスを提供していた。FAが所属する部署は、メインベースであるグアムベースとその補助ベースである成田ベースがあったが、平成24年以降、日本人のグアム来島者の減少に伴い、順次、グアム、日本路線が廃止・縮小したため、成田ベース所属のFAの乗務時間も月700時間程度まで落ち込み、成田ベースの維持費と見合ったものとなっておらず、同程度の業務量であれば、グアムベース所属のFAでも対応可能であった。また成田ベースを閉鎖した場合、年間10万ドルを超えるコスト削減が可能であった。

 CMI社は成田ベースおよびグアムベース所属のFAに対し早期退職募集をしたが、さらに、平成28年2月4日、成田ベースを閉鎖することとし、原告組合に対し通知した。CMI社は、その後の団体交渉を通じて、成田ベース閉鎖の事情などを説明するとともに、同一年収水準での地上職への職種転換や早期退職に伴う特別退職金(20カ月分)の支払いなどを提案したが、妥結に至らなかった。同年5月31日、CMI社は、原告らを含む成田ベース所属のFAを解雇した。…

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令和2年5月25日第3258号14面 掲載

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