ユタカ精工事件(大阪地判平17・9・9) 給与額で転職話ご破算に、退職銀行マンが訴え 契約過程で過失あり賠償を

2006.05.01 【判決日:2005.09.09】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 知人の経営者から会社再建の協力を求められた上級管理職の銀行マンが転職のため退職したが、給与額で折り合わずご破算になり、雇用契約上の権利を有する地位確認を求め、予備的に損害賠償を請求したもので、大阪地裁は労働条件が合意されないまま推移し雇用契約は未成立としたが、契約過程の誠実義務に反する過失を認定、損害賠償を認めた。

誠実義務に反する 雇用契約は未成立

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、A銀行の支店長を歴任し、Y社の代表者とは知り合いであった。経営不振が続いていたY社はXに対し転職と会社再建への協力を要請したところ、Xも転職を決意し、平成15年12月1日、銀行に同16年3月末日で退職する旨の届を提出した。定年退職の14カ月前であった。

 退職届提出後、Y社はXにY社顧問の肩書の名刺を作成するなどし、XもY社をしばしば訪れたが、その間勤務条件についての話はなかった。同16年3月24日に初めて給与について話し合われたが、Y社の提示額30万円と、60万円程度を想定するXと合意に至らず、翌日も物別れに終わり、4月1日、Y社はXに対し採用することはできないと告げるに至った。

 Xは、①Y社との間で雇用契約が締結されているとして、雇用契約上の地位の確認を求め、予備的に②Y社の契約締結上の過失によって損害を被ったとして損害賠償を請求した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成18年5月1日第2583号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。