播州信用金庫事件(神戸地裁姫路支判平20・2・8) 信金支店長代理が管理監督者でないと割増請求 経営者と一体的立場にない

2008.10.13 【判決日:2008.02.08】
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 信用金庫の支店長代理が退職後、「名ばかり管理職」を理由に、在職中の時間外割増賃金と付加金の支払い等を求めた。神戸地裁姫路支部は、出退勤は金庫室開閉のため自由裁量がないこと、人事評価の権限を有していないこと、地位に相応しい賃金ではないこと等、「経営者と一体的な立場」と評価できないと判示。割増賃金351万余円と付加金100万円の支払いを命じた。

出退勤に裁量なし 賃金の待遇不十分

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 Y信用金庫K支店の代理職であったXが、Yに対し、退職前1年6カ月分の時間外割増賃金(主位的に就業規則を根拠として約384万円、予備的に労基法を根拠として約362万円)の支払いおよび付加金の支払いを求めたというものである。

 本件では、①Xが労基法41条2号の管理監督者に該当するか否か、②給与規則により計算された時間外勤務手当等が支給されるのか否か、③Xの時間外労働時間数、④消滅時効が完成しているか、⑤付加金の支払いを命ずるのが相当か否か、の5点が争点となった。

 本判決は、①を否定し、②についてはXに対し給与規則が適用され、③については金庫室の開閉簿にXの押印があるときにはその時刻とし、それがない場合は始業終業時刻として算定し、⑤付加金については労基署がYに対し、Xに関する時間外勤務手当等不支給に関し指導・是正勧告をしたことはないこと、X自身、Yに在職中には時間外勤務手当等が支給されないことについて疑問を感じていなかったこと等から100万円の限度でこれを認め、結局、Xの請求のうち、約351万円を認めるとともに、付加金100万円の支払いをYに命じた。

 以下において、上記争点のうち①の管理監督者性に関する判断に関連する裁判所の認定した事実関係を記載する。…

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平成20年10月13日第2700号14面 掲載

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