メッセ事件(東京地判平22・11・10) 自称コンサルタントに逮捕歴、経歴詐称で懲戒解雇 真実告知すべき義務怠った

2011.06.27 【判決日:2010.11.10】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 自称経営コンサルタントが、採用時に経歴・職歴を偽ったとして懲戒解雇され、その効力を争った。東京地裁は、雇用契約締結に際し、労働力評価等に関わる事項について申告を求められた労働者は、信義則上、真実を告知する義務を負うと判示。経歴詐称は労使間の信頼関係を破壊するもので、周知されていた就業規則の懲戒規定に該当するとして解雇を有効と認めた。

採用の動機を覆す 信頼関係破壊した

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、労働者派遣事業を目的とする会社(株式会社メッセ)が、採用時の経歴と職歴に虚偽申告があったことを理由に労働者甲を懲戒解雇したのに対して、甲が、懲戒解雇は無効であるとして、会社に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めたものである。

 甲は、会社との間で雇用期間を1年とする雇用契約を締結し、平成20年5月12日から就労を開始した。

 会社は、アメリカで経営コンサルタントをしていたとする略歴書を信用して甲を採用した。しかし、当時の会社の代表取締役Aは、雇用契約締結後、甲の態度や発言等から、甲の経歴に疑問を感じるようになった。そこでAは、インターネットで甲の氏名を検索したところ、某社の役員を中傷するファックスを流したために、平成16年6月26日、自称経営コンサルタント容疑者甲を逮捕した、などと記載された記事を発見した。

 Aは、平成20年5月21日、甲に対して、記事記載の人物かを確認したところ、甲はこれを認め謝罪するとともに無罪であると主張した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成23年6月27日第2830号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。