東光高岳事件(東京高判令6・10・17) 再雇用契約を更新、賃金減額拒否して雇止めは 変更後の労働条件に合理性

2025.06.26 【判決日:2024.10.17】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 定年後再雇用された労働者が、初回の更新に際し、吸収合併した親会社からの賃金減額を拒否して雇止めされた事案。一審は、直前の労働条件と同一内容での更新期待は認められないとした。東京高裁は、労契法19条2号の更新は同一の条件で更新されるものに限定されないが、合併後に条件を統一する必要性から、業績堅調でも賃金減額の合理性を認め、雇止め有効とした。

吸収され条件統一 会社業績堅調でも

筆者:弁護士 野口 大(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、定年後有期契約で再雇用された労働者(一審原告、控訴人)が当時の使用者(以下「A社」)に対して同一の労働条件での契約更新を申し込んだが、その後A社が3期連続経常赤字等を理由に親会社(一審被告、被控訴人)に吸収合併され、新しい使用者である親会社から新しい労働条件が提示されたという事案である。更新後の新しい労働条件は賃金等が大幅に低下する内容であったため、労働者がこれを拒否し、結局契約更新がなされなかった。

 主な争点は、①労働者には契約が更新される合理的期待が認められるのか(労働契約法19条2号該当性)、②本件は使用者による雇止めなのか労働者による契約更新拒否か、③使用者による雇止めとして本件雇止めは有効か、である。本件は控訴審である。

判決のポイント

1 争点①について

 労契法19条2号所定の「当該有期労働契約が更新されるものと期待すること」とは、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和7年7月7日第3503号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。