EMIミュージック・ジャパン事件(静岡地判平22・1・15) 承継先が分割後の賃下げを予定、「元」は説明不要か 譲渡元・先で事前合意あり

2010.06.28 【判決日:2010.01.15】
  • TL
  • ツイート
  • シェア
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

  • コメント

 事業譲渡目的の会社分割で転籍した2人が、譲渡元から賃金引下げの説明がなかったとして債務不履行による損害賠償を請求。静岡地裁は、説明は原則不要だが、承継後に株式譲渡された「先」との間では、事前に分割後の賃下げ予定について社員へ説明する旨合意しており、商法に基づく協議の前提として労働契約上の説明義務を負うとして、15万円の支払いを命じた。

早期見直しが確実 商法の協議不十分

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Y社は、平成17年、G工場を分割してT社を新設し、かつ、その株式の売却を行う方針を固め、同年12月6日、A社との間で、T社の株式売却契約を締結するとともに、同月26日に会社分割を行った。分割期日に承継する事業に従事していた労働者はT社に承継され、G工場で勤務していたXらの契約もT社に承継された。また、同日、前記株式売却契約に基づきT社の全株式はA社に売却された。

 ところで、A社の親会社であるM社は、T社の従業員の雇用条件を早期に見直す必要があると考えていたため、Y社とM社の間では、Y社は労働組合および承継対象の従業員に対して、T社においてできるだけ早い段階で、賃金の引下げを含む雇用条件・人事制度の導入が行われることについて説明を行う旨の合意がなされていた。実際、17年12月の分割・売却後、翌年11月に賃金引下げの提案がなされ、19年4月には労使の合意により新賃金体系への移行がなされた。

 Xらは、早期に賃金引下げの提案がなされることが確実であるのに、会社分割に際してこれが説明されていなかったとして、労働契約に基づく説明義務の違反を理由に慰謝料300万円の支払いを求めて提訴した。…

この記事の全文は、労働新聞電子版会員様のみご覧いただけます。

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成22年6月28日第2782号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ