A市職員(セクハラ損害賠償)事件(横浜地判平16・7・8) 性的嫌がらせ申告に動かぬ相談担当者の責任は 許容限度超える権限不行使 ★

2005.03.21 【判決日:2004.07.08】
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 市の職員が上司から度重ねてセクシュアルハラスメントを受け、相談窓口に事実の申出と就労環境の改善を訴えたが、適切な対応がされなかったため精神的被害を被ったとして、国家賠償法に基づく損害賠償を請求したもので、判決は環境型セクハラと認定のうえ、市に慰謝料など220万円の支払いを命じた。

市に損害賠償責任 公務員ゆえに免責

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、A市の職員であるが、上司である係長はバーベキュー・パーティーの際に、Xを膝に座らせて「不倫をしよう」と言ったり、その写真を撮るなどした。また、歓送迎会や暑気払いの席で、「結婚しろ」「子供を産め」などと発言し、研究会の懇談会で他市の男性職員が独身であることがわかると、「うちにいいのがいるから」と発言した。

 Xは、相談窓口に上司の行為をセクハラとして申し出、改善を求めたが、担当課長は、Xに何の連絡もしないまま加害者から事情聴取をし、証拠(写真)の収集などをしなかった。また、Xの求めで面談した際にも、異動を希望していると思い込み、翌年4月まで待つように述べただけであり、Xの職場への不適応もXの責任であるかのような発言をし、セクハラではあるが、付き合い方がわからなかったということではないかなど、全体的に上司をかばう発言を繰り返し、結局、何らの対応もしなかった。

 Xは、A市に対して、上司のセクハラ行為とともに、担当課長や市長の対応に義務違反があるとして国賠法1条1項による損害賠償を請求した。…

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平成17年3月21日第2529号14面 掲載

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