長野県厚生農業協同組合連合会事件(平5・8・5静岡地判) 懲戒解雇事由の存在を理由としてなされた普通解雇の効力は…

1993.12.27 【判決日:1993.08.05】
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裁量に逸脱なければ有効

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y連合会が経営する病院の放射線医師として勤務していたが、診療放射線科のミーティングにおいて、T医師に対しT医師の治療はでたらめだ等の暴言を浴びせたり、出席を禁止されたミーティングに出席してT医師に対して暴行を加えた。

 そのためY連合会は、右を含め15項目にわたるXの言動は、懲戒事由を定めるY連合会の就業規則56条1号の「本会諸規定及び上司の命令に違反して専断の行為のあった者」、同条2号の「故意又は重大な過失により本会内部の秩序を紊し、若しくは不正の行為をなし本件の信用を毀損した者」、同条10号の「その他各号に準ずる行為のあった者」に該当し、Xには懲戒解雇事由が存するが、Xが当時35歳の将来ある青年医師であったことから、Xの将来に与える影響を考慮し、許容しうる範囲内でXに有利な措置を選択するのが妥当であるとの観点より、普通解雇事由を定める就業規則62条3号の「その他会務の都合により会長が必要と認めたとき」に該当するとして、Xを普通解雇にした。

 これに対し、Xは、右解雇は無効であるとして提訴した。

判決のポイント

 ① 懲戒解雇事由の存在を理由としてなされた普通解雇は、懲戒解雇の手続的要件を潜脱する意図が存在したなど解雇権の濫用と認められるような特段の事情が主張立証されない限り、「その他会務の都合により会長が必要と認めたとき」に該当するものとして有効と解すべきである。…

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平成5年12月27日第1990号10面 掲載

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