フットワークエクスプレス(山口店)事件(山口地判平10・7・15) 解雇無効とされた者の他で得た収入の扱いは? 賃金の4割までは控除可

1999.03.01 【判決日:1998.07.15】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

収入と対応する支給対象期間に限る

筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、トラック運転業務に従事する従業員Xが運転中に起こした車両事故に関する解雇事件である。

 会社はXが右事故に際し、被害車両に損害を与えたことを認識しながら、あえてこれを放置した、いわゆる当て逃げであること、事故後もその責任を認めず故意に報告を怠るなど不誠実な対応に終始したことを理由として諭旨解雇処分とした。Xはこれを争い、会社に対し労働契約上の権利を有することの確認を求めるとともに、解雇処分後の賃金及び本案判決確定に至るまでの月額賃金の支払いを求めた。

 また、Xは解雇処分後約2カ月間他で嘱託運転手として雇用され合計32万7950円の収入を得ていたので、解雇が無効の場合でも右収入を賃金から控除できるか否かも問題とされた。

判決のポイント

 一、Xの事故後の対応は誠実さに欠ける面があり、被害者から使用者責任を問われる会社の対応を遅らせ、企業としての社会的信用を害するおそれがある行為であるとともに、使用者たる会社との労働契約上の信頼関係を損なう行為というべきであるから、Xは本件事故発生及び事後の対応について、本件就業規則に基づき、会社から何らかの懲戒処分を受けてもやむを得ないというべきである。

 しかしながら、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成11年3月1日第2239号13面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。