『手待時間』の労働判例

2024.02.01 【判決日:2023.02.22】
医療法人社団誠馨会事件(千葉地判令5・2・22) 研修医が病院外で夜間電話対応し割増賃金請求 待機中の労働時間性を否定
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  • 労働時間
  • 手待時間

 形成外科の研修医が、夜間の電話連絡等に対応するために病院外で待機していた時間について、割増賃金の支払いを求めた。千葉地裁は、待機中の生活状況は私生活上の自由時間の過ごし方と大きく異ならないとして、労働時間には当たらないとした。遠方に滞在できないという場所的な制約はあるが、電話対応や呼出出勤の回数・時間は、自由時間を阻害するものではないと……[続きを読む]

2022.12.08 【判決日:2022.02.25】
システムメンテナンス事件(札幌高判令4・2・25) 夜間当番の呼出待機、行動自由で残業代なし? 事務所滞留中は指揮命令下
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  • 労働時間
  • 手待時間

 駐車場のメンテナンスで夜間当番の待機時間が、労働時間に当たるか争った事案の控訴審。事務所にいない時間の行動は基本的に制約がなかった。指揮命令下にないとした一審に対して札幌高裁は、終業後に事務所内にいた時間に関して、速やかに現場へ向かえるよう待機していることを会社は容認し、指揮命令下と判断。事務所にいない時間は、入電の確率も考慮して労働時……[続きを読む]

2018.10.25 【判決日:2017.09.26】
南海バス事件(大阪高判平29・9・26) 路線バス終着から出発までは“待機”と割増請求 乗客対応の義務なく休憩中
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  • 手待時間
  • 賃金

 路線バス運転手が、ターミナル到着から出発までを「待機時間」として割増賃金を求めた訴訟の控訴審。会社はその間6分間のみ労働時間としていた。大阪高裁は、バスの移動や忘れ物の確認、清掃は6分間で可能で、残り時間を休憩と認定。車から離れることもでき乗客対応も義務とまではいえないとした。休憩中の実作業は申告する取決めだったが申告やその事実もなかっ……[続きを読む]

2011.05.02 【判決日:2010.11.16】
奈良県(医師時間外手当)事件(大阪高判平22・11・16) 産科医の宿日直勤務をすべて労働時間とした判断は 全体にわたって指揮命令下
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  • 労働時間
  • 手待時間

 県営病院の産科医が、当直勤務は時間外労働に当たるとして割増賃金を求めた事案で、大阪高裁は、労基署は「断続的な宿日直勤務」として許可したが、救急患者への対応は通常業務そのもので、「業務命令に基づき指揮命令下にある」と判断した一審判決を支持。一方、応援要請に備えて自宅待機する「宅直勤務」は、医師の自主的な取組みで労働時間には当たらないとした……[続きを読む]

2008.08.25 【判決日:2008.03.27】
大道工業事件(東京地判平20・3・27) 急なガス管修理の対応で常駐、手待時間と主張 拘束性有さず労働から解放
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  • 労働時間
  • 手待時間

 ガス配管工事請負会社の従業員が、シフト担当日は実作業のない不活動時間も含め労働時間に当たるとして、時間外割増賃金等の支払いを求めた。東京地裁は、労務提供の可能性があるという意味では一定の制約があるものの、不活動時間中はパソコンに興じる等拘束性を有するとはいえず、高度に労働から解放されており、指揮命令下にない呼出待機の状態と判示し、訴えを……[続きを読む]

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