労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2019.09.19 【判決日:2019.02.28】
ジー・イー・エス事件(大阪地判平31・2・28) 管理監督者でなく割増請求、労働時間どう算定 妻へ帰宅メールで終業認定
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 製造部長だった元従業員が、管理監督者には当たらないと割増賃金を求めた訴訟で、大阪地裁は、労務管理の権限を有さず経営への参画要件を欠くとして、請求を一部認めた。終業時刻の認定において、帰宅時の妻へのメールの送信時刻は十分信用できるとしている。他に客観的証拠もなかった。妻の手帳の時刻は正確性が担保されず、会社の確認もないなど信用性を否定した……[続きを読む]

2019.09.12 【判決日:2019.03.26】
日産自動車事件(横浜地判平31・3・26) 1200万円の課長職、管理監督者ではない!? 職責や権限なく割増賃金を
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  • 管理監督者性

 年収1200万円の課長の管理監督者性を争った事案で、東京地裁は、約360万円の割増賃金の支払いを命じた。管理監督者にふさわしい待遇がなされ、遅刻、早退の賃金控除はなく時間管理に裁量はあるが、経営者と一体的といえるだけの重要な職責と権限はないと判断。会議の発言権がなく部長の補佐にすぎないなど、経営意思の形成に対する影響力は間接的としている……[続きを読む]

2019.09.05 【判決日:2018.08.29】
K社事件(東京高判平30・8・29) 2人体制の夜行バス、運転待機中も労働時間? 「仮眠可能」で業務から解放
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  • 労働時間
  • 仮眠時間

 夜行バスの運転手らが、交代要員としての乗車時間に賃金支払いを求めた事案の控訴審。高裁もリクライニングの座席など国交省の定める運転者の配置基準を満たすとしたうえで、仮眠できる状態で労働から離れることが保障されていると判断。場所的な拘束はやむを得ず、制服の着用義務はあるが上着を脱ぐことは許されるなど、休憩するために配慮された環境と評価した。……[続きを読む]

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