葛城酒類販売事件(平4・3・23大阪地判) 使用人兼務役員の退職金・賞与・預託金返還の取り扱いは

1993.12.06 【判決日:1992.03.23】
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株主総会の決議が必要

筆者:弁護士 安西 愈(中央大学講師)

事案の概要

 本件は、被告会社の業務取締役営業部長たる地位にあった者の遺族が、会社に、①退職金および賞与の支払い、②預託株式の買い上げ代金の返還、③預託金の返還を求めて訴えたのに対し、会社は請求権のないこと、損害賠償との相殺などを主張して争ったものである。

 一般に、取締役であっても、営業部長・工場長クラスの者でいわゆる使用人兼務投員の場合には、同時に、従業員たる側面を持ち、その場合には、従業員としての退職金や賞与の支給ということが問題となり、取締役たる地位にあることのみをもって結論づけられるものではなく、本件はこのような地位にある者をめぐる商法と労働法にかかわる分野の事件である。

判決のポイント

 ①退職金請求については、取締役に対する退職金は、その在職中における職務執行の対価として支給される趣旨を含むときは、商法269条にいう報酬に当たるから、同条の決議がなければ、亡Aは退職金請求権を取得しない。したがって、被告の定時株主総会が開かれたことが認められるものの右の総会において、亡Aに対する退職金の支給が決議されたと認めるに足りる証拠はない。…

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平成5年12月6日第1987号10面 掲載

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