オリンパス光学工業事件(東京高判平13・5・22) 在職中特許を発明した退職者から「相当の対価」の請求 不足額の支払は必要

2002.01.21 【判決日:2001.05.22】
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誓約書受領も特許 法35条は強行法規

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 原告Xは、被告会社Yの研究開発部に勤務中にした「職務発明」について、Yに特許を受ける権利を承継させたが、Yを退職後、特許法35条3項に基づき、その「相当の対価」(内金)として2億円の支払いをYに請求した。Xの発明は、ビデオディスクの「ピックアップ装置」であり、Yは「発明考案取扱規程」に基づき、その特許を受ける権利をXから承継し、特許出願をして特許権を取得し、Xに対し、補償金、報償金(出願補償、登録補償、工業所有権収入取得時報償)として合計21万円余を昭和53年から平成元年までの間に支払った。

判決のポイント

 使用者等は職務発明に係る特許権等の承継等に関しては、同項の、「勤務規則その他の定」により一方的に定めることができるものの、「相当の対価」の額についてまでこれにより一方的に定めることはできないものと解するのが相当である。

 同条(特許法35条)の立法の趣旨は、従業者等の職務発明についての特許権等が本来従業者等に帰属するものであることを明らかにしてこれを出発点としつつ(同条1項)、使用者等と従業者等との利益を衡量したうえで、…

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平成14年1月21日第2377号14面 掲載

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