小田急電鉄事件(東京高判平15・12・11) 私鉄社員が車内痴漢、懲戒解雇し退職金不支給 全カットは酷、3割支給を ★

2004.07.26 【判決日:2003.12.11】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 私鉄会社の社員が他社路線の車内で痴漢を繰り返したため懲戒解雇し、退職金も全額不支給とした処分の当否を巡る控訴審で、痴漢行為は職務外の非違行為で強度な背信性を有しないとしたうえ、当該労働者の勤務態度や服務実績から退職金の7割減額が相当とし、全額不支給を認容した一審判断を覆した。

不信行為とはいえ 強度な背信性なし

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、昭和55年4月に鉄道事業等を経営するY社に入社したが、度重なる電車内での痴漢行為を理由にY社から懲戒解雇された。その際、Y社は、退職金支給規則4条に「懲戒解雇により退職するもの、または在職中懲戒解雇に該当する行為があって、処分決定以前に退職するものには原則として退職金は支給しない」との規定に基づき、Xに退職金を支給しなかった。そこで、Xは、解雇は無効であり、退職金を不支給とする長年の功労を消し去るほどの不信行為がなかったなどとして、退職金相当額920万8451円等の支払いを求めて提訴した。

 第一審の東京地裁は、Xの請求を棄却したが、Xは、これを不服として控訴した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成16年7月26日第2498号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。