ネスレジャパンホールディング事件(神戸地裁姫路支判平17・5・9) 部署廃止による配転だが家族の介護理由に拒否 家庭生活の不利益が大と無効に ★

2005.12.05 【判決日:2005.05.09】
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 部署の廃止で従業員に姫路から茨城への配転を命じたが、妻の病気治療や老親介護などを理由に2人が拒否したケースで、仮処分後の本訴で神戸地裁姫路支部は業務上の必要性を認定しつつも、改正育介法26条が求める就業場所の変更を伴う配転時の配慮として実情調査未実施など不十分と無効判断を示した。

必要性は認めつつ 育介法第26条配慮が不十分

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社(ネスレジャパンホールディング㈱)はスイスに本拠を置く食品のメーカーの日本法人。労働者AとBは同社姫路工場で採用され、継続勤務してきた現地採用者で、充填包装課ギフトボックス係に配属されていた。

 会社は、平成15年5月、ギフトボックス係を廃止することを決定し、同係の従業員61人中、定年退職予定を除く60人に係の廃止方針と、同年6月23日までに霞ヶ浦工場転勤か、退職金と特別退職金を受領し同月30日付けで退職するかを選択すべきことを書面で通知した(本件配転命令)。AおよびBを除く58人の従業員のうち9人が霞ヶ浦工場へ転勤し、49人が退職した。

 AとBは家族の生活上の都合等により本件配転命令に応じることはできないとして、姫路工場残留を希望する旨の書面を提出した。会社は、霞ヶ浦工場への異動を促す旨を記載した回答書を送付した。そこでAとBは再度、要望書を同課長に対して提出したが、会社からは前述同様の回答書が送付された。

 AおよびBは、配転命令の効力停止の仮処分を申請し、認容された。本判決は、この仮処分決定に対する事案である。…

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平成17年12月5日第2563号14面 掲載

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