『作業環境管理』の労働実務相談Q&A

2023.06.12 【労働安全衛生法】

事務所の明るさに基準!? 高齢者増えて配慮したい

キーワード:
  • 作業環境管理
Q

 高齢労働者も増加し、就労環境に一層の配慮が必要になると考えています。職場における一般的な安全衛生基準が見直されたようですが、事務所における照明の基準について、改善に当たっての注意点を教えてください。【香川・I社】

A

事務作業は300ルクス JIS基準にも留意が必要

 高齢者雇用に対応するため、あるいは、自助努力が伴うテレワークにおいても職場環境の健全な保全と管理が求められています。とくに就労場所における「照度」の問題は、経営の観点から一定の配慮が求められる時代となり、設備投資を伴う対応が必要になります。

 安衛則604条では「照度」について規定しています。労働者が作業を行う場所の作業面について、明るさ不足による眼精疲労、視力の低下といった健康障害、併せて作業ミス、標識等各種注意喚起の見落としなどにより業務災害が発生する要因となるなど、危険が増大することから、作業区分に応じた最低限の照度を確保すべきとして定めるものです。「事業者は、室の採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によらなければならない。事業者は、室の照明設備について、6月以内ごとに1回、定期的に、点検しなければならない」などとなっています(安衛則605条)。ただし、感光材料を取り扱う作業場(暗室等)、坑内の作業場その他特殊な作業を行う作業場については、除外しています。

 テレワークにおける自宅等に安衛則等は直接適用されませんが、安全衛生に配慮して同様に考えるべきでしょう(令3・3・25基発0325第2号)。

 令和4年12月には、事務所則の主な項目について見直しがありました。ポイントは以下のとおりです。…

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2023.03.28 【労働安全衛生法】

新たに設けられた資格は 化学物質で政・省令改正

キーワード:
  • リスクアセスメント
  • 作業環境管理
Q

 職場における化学物質の新たな規制が導入されます。自律的な管理を進める担当者として、化学物質管理者、保護具着用管理責任者等の選任、活用が必要になりました。それぞれの役割等について教えてください。【愛知・R社】

A

化学物質管理者など4種 製造なら講習修了者を選任

 令和4年の安衛令と安衛則の改正で、化学物質の管理方式に変更がありました。従来は、危険・有害性の高い化学物質をリストアップして管理する方式、つまり、例えば特定化学物質障害予防規則(特化則)や有機溶剤中毒予防規則(有機則)等といった安衛法の特別則による個々の規制方式(法令順守型)を採っていました。改正による変更は、事業者による自律的な管理の方式に移行しようとするものです。国際的に統一された化学物質の分類・表示基準であるGHS情報を基礎とするSDS(安全データシート)などの情報を譲渡・提供元が使用する事業者に提供し、これを活用したリスクアセスメントを実施したり、この結果に基づくばく露低減措置を講じたりすることなどを通じた管理を基本とします。

 これは、わが国で輸入、製造、使用…

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2023.03.10 【労働安全衛生法】

PC使用上の健康管理は ガイドラインでどう規定

キーワード:
  • リスクアセスメント
  • 作業環境管理
Q

 パソコンなど情報機器を用いた作業について労働衛生管理のためのガイドラインが示されているそうですが、このガイドラインについてご教示ください。【神奈川・M社】

A

4時間以上は負荷大きい リスクアセス実施を

 職場におけるIT化はますます進行しており、情報機器作業を行う労働者は増大し、その作業形態はより多様化しています。このような状況から、従来のように作業を類型化してその類型別に健康確保対策の方法を画一的に示すことは困難となり、個々の事業場のそれぞれの作業形態に応じきめ細かな対策を検討する必要が生じたことから、令和元年7月に、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(令元・7・12基発0712第3号)が示されました。以下にお話のガイドラインのうち、作業環境管理および作業管理を中心に主な事項についてご説明します。…

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2022.04.26 【労働安全衛生法】

作業環境測定の実施は? 結果どう評価するか

キーワード:
  • 作業環境管理
Q

 作業環境の測定に関する記事(参考記事=作業環境測定どうするか 有機溶剤を使用)を読みました。社内では適当な人がいないことも十分考えられますが、実際、誰がどのように進めればよいのでしょうか。結果はどのように評価すればよいでしょうか。【静岡・I社】

A

外部登録機関へ委託検討 第三区分は不適切な状態

作業環境測定士等による作業環境測定

 事業者は、安衛法65条1項の規定により、指定作業場について作業環境測定を行うときは、その使用する作業環境測定士(第一種作業環境測定士と第二種作業環境測定士の別があり、当該作業環境測定に関して資格を有することが必要です)に実施させなければなりません(作業環境測定法3条)。これができないときは、…

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2022.03.10 【労働安全衛生法】

作業環境測定どうするか 有機溶剤を使用

キーワード:
  • 作業環境管理
Q

 アセトンやメタノール等の有機溶剤を使用する場合に、労働安全衛生法では、作業環境の改善などのための作業環境の測定は、どのようにしなければならないとしているのでしょうか。ご教示ください。【山梨・N社】

A

空気中の濃度測定が必要 対象は含有率5%以上

 作業環境測定は、作業環境の現状を認識し、作業環境を改善する端緒となるとともに、作業環境の改善のために採られた措置の効果を確認する機能を有するものであって、作業環境管理の基礎的な要素として欠くことのできないものです。

作業環境測定とその実施方法等

 安衛法65条において、事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、作業環境測定を行い、その結果を記録しておかなければならないこととしています。この作業環境測定は、厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行わなければなりません。…

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