『労務一般関係』の労働実務相談Q&A

2025.06.24 【労働基準法】

営業所にも備付け? 本社と同じ就業規則だが

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 就業規則
Q

 新たに営業所を開設するため準備中です。5人程度と小さいため引き続き本社で労務管理を行います。従業員から就業規則などの写しを持っていくべきか問われましたが、本社のものを適用するため本社に備え付けてあれば不要という認識で良いでしょうか。【京都・C社】

A

各作業場単位で必要という規定

 労基法106条は、就業規則や労使協定などについて周知義務を課しています。周知の方法は、①作業場の見やすい場所への常時の掲示または備付け、②書面の交付、③電子計算機に備えられたファイルまたは電磁的記録媒体をもって調製するファイルに記録し、かつ、各作業場に常時確認できる機器を設置すること――で行います(労基則52条の2)。③の電子計算機に備えられた…

回答の続きはこちら
2025.06.13 【労働基準法】

賠償予定禁止に抵触しない? 採用時の身元保証 本人以外が責任を負う

キーワード:
  • 労務一般関係
Q

 従業員を採用したときには、これまで身元保証書を提出するよう求めてきました。最近は、保証人を立てるのが難しい人がいたり、実際、会社で保証人に連絡するようなトラブルも発生したりしていないことから、身元保証の必要性がなければやめることも検討しています。労基法においては、違約金や賠償を予定した契約が禁止されていますが、そもそもとして、身元保証人に対する賠償予定については、法的に問題ないのでしょうか。【神奈川・H社】

A

上限額定める方法は可

 違約金の定めや損害賠償額を予定する契約が禁止されているのは、労働者の弱味につけ込んで異常に高い損害賠償額が定められ、労働者の退職の自由が拘束され、足留め策となる等の弊害があるためです。

 「違約金」とは、労働契約の不履行の場合に、それによる損害発生の有無にかかわらず債務者が支払うべきことをあらかじめ約束した金銭を指します。遅刻や無断欠勤したときの罰金がイメージしやすいですが、制裁として定めた場合や損害賠償額の最高限(最低限)として定めた場合は除かれています(労基法コンメンタール)。

 そして、賠償すべき損害額を実害の如何にかかわらず一定の金額として定めておくことは、…

回答の続きはこちら
2025.06.10 【労働基準法】

本社一括仕組み変わる? 労使協定など届け出る際

キーワード:
  • 36協定
  • 労使協定
  • 労務一般関係
Q

 労使協定の本社一括届出について、仕組みが変わったと聞きますが、どのように変わったのでしょうか。対象など注意点はありますか。【神奈川・G社】

A

同一でない場合も可能へ ポータルサイト経由なら

 労使協定等は、基本に事業場単位で届出などが必要ですが、本社一括届出が認められているものもあります。

 36協定届を例にとると、形態ごとに要件は異なるものの、今までも書面等による届出をする場合とe-Govから電子申請を行う場合に認められていました。このたび新たな解釈例規(令7・3・28基発0328第8号)が発出され、労働条件ポータルサイト「確かめよう 労働条件」の電子申請様式作成支援ツール(以下、ツール)を使用して電子申請を行う場合が追加されました。e-Govの場合よりも要件が緩和されています。

 先にe-Govの場合は、…

回答の続きはこちら
2025.05.16 【労働基準法】

数カ月にわたり減給処分? 懲戒事由多数ある場合 賃金総額の1割が限度か

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 減給制裁
Q

 従業員の勤務態度が悪く、遅刻早退のほかしばしば無断欠勤もします。複数の事案に対してそれぞれ懲戒処分として減給を行うかどうか検討しています。本人への戒めという意味で、数カ月にわたって減給することは認められないのでしょうか。労基法91条で定める減給の上限の範囲内であれば可能でしょうか。【静岡・N社】

A

上限超える分は翌月減も

 遅刻等の減給処分が、懲戒権の濫用(労働契約法15条)に当たるかどうかの問題はさておき、減給に関する労基法のルールを確認してみましょう。

 制裁の上限として、1事案の減給額は平均賃金1日分の半分以内、かつ、数回の事案が発生しても、1賃金支払期について賃金総額の1割以内という制限があります(労基法91条)。なお、賃金総額は、現に支払われる額をいい(昭25・9・8基収1338号)、欠勤等により少額となったときには、その少額となった賃金総額を基礎として1割を計算しなければなりません。減給額が多額になると労働者の生活を脅かすことになるため、…

回答の続きはこちら
2025.03.11 【労働基準法】

当社基準で懲戒処分か? 在籍出向の労働者が違反

キーワード:
  • 出向
  • 労務一般関係
Q

 当社工場には、製造と関係の薄い関連企業から労働者が出向しています。このたび安全関係の違反が続き、けん責処分としたいのですが、当社基準で処分可能でしょうか。【千葉・N社】

A

契約や規定に基づき可能 解雇権などは「元」へ残る

 実務上、懲戒処分を科すためには、就業規則で懲戒の種別と事由を定めておかなければならないとされています。なお、表彰や制裁については、労基法89条で就業規則における相対的必要記載事項とされているため、定めをする場合は規定を設けることが必要です。

 在籍型出向は、出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、出向元・先の両方と雇用契約を結び、出向先に一定期間継続して勤務することをいいます。労働者供給の一形態ですが、職安法44条が労働者供給を「業として行う」ことを禁止しているところ、在籍型出向は、経営・技術指導の実施や、職業能力開発の一環として行うことなど、その目的に照らし「業として行う」に該当しないとされています。

 出向先における労働条件などは、…

回答の続きはこちら
もっと見る もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。