2022年10月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2022.10.31 【労災保険法】

特別加入せず補償は? 副業先へ移動中にケガ

キーワード:
  • 副業・兼業
  • 業務委託
Q

 当社を副業・兼業先として働いている人がいます。雇用契約ではなく、業務委託としています。当社への移動中にケガをしたときに、特別加入をしていないと保険給付は受けられないのでしょうか。【福岡・S社】

A

健康保険から給付の可能性

 就業場所間の移動も通勤に該当する可能性があり(労災法7条2項)、当該移動は第2の事業場への通勤であることから、第2の事業場で処理を行うことになります。

 特別加入自体は現行法では任意です。特別加入者を希望する者の申請に対して所轄都道府県労働局長が承認することで保険としての…

回答の続きはこちら
2022.10.31 【交通事故処理】

「重過失」の定義を教えて 傷害保険は支払われるか

キーワード:
Q

 私が加入している傷害保険には、被保険者または契約者の故意または重大な過失により損害が発生した場合には、保険金の支払いは行いませんという内容の規定があります。「重大な過失」とはどのような場合をいうのでしょうか。【茨城・S生】

A

ほとんど故意に近い場合 二審で判断覆った例あり

 最高裁判決(最三小判昭32・7・9)は、失火ノ責任ニ関スル法律但書に規定されている「重大ナル過失」について、「通常人に要求される程度の相当な注意をしないでも、わずかの注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができた場合であるのに、漫然これを見すごしたような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態を指す」としましたが、保険契約の免責条項に規定されている「重過失」もこれと同様の内容であると思われます。

 このような抽象的な定義では分かりにくいので、重過失が…

回答の続きはこちら
2022.10.28 【健康保険法】

年106万円は基準になるか 被保険者の適用拡大で

キーワード:
  • 被保険者資格
Q

 令和4年10月からの被保険者の適用拡大のニュースをみていて、いわゆる「年収の壁」を取り上げているものをいくつか目にしました。被扶養者の判断基準となる130万円や税金関係などが一緒に紹介されていました。適用拡大により106万円の壁が新たに加わったと考えていいのでしょうか。【岡山・T社】

A

月8.8万円以上か確認 賞与や割増賃金含まず

 被保険者とは、適用事業所に使用される者等をいいます(健保法3条)。ただし、同条1項各号の適用除外の条件に該当する場合はこの限りではありません。適用拡大により被保険者となるのは、①週の所定労働時間が20時間以上、②報酬(最低賃金法で定める賃金に算入しないものに相当するものを除く)の月額が8.8万円以上、③学生でない、④特定適用事業所等に使用されていることです。④の範囲が順次見直されていて、令和4年10月以降は常時100人を超える範囲になりました。

 ②の報酬に関して、8.8万円を12倍して1年に換算した額が…

回答の続きはこちら
2022.10.28 【育児・介護休業法】

出生児育休 就業日の変更拒否したい 繁忙期のみ就労認める 労働者申し出にどう対応

キーワード:
  • 育児休業
Q

 出生時育児休業中の勤務ですが、当社は当面見送ることにしました。繁忙期等働いてもらいたい場合があることは事実ですが、強制等といわれるのは困ります。制度設計として、会社が繁忙期のみ働いてもらいたいと考えたときに、会社と本人で一度合意した就業日の変更について、申出を認めない運用は可能でしょうか。【京都・O社】

A

予定日前は同意撤回が可

 民間調査機関のアンケート調査で、出生時育休中の勤務を認めない企業は50%を超えるという結果があります。就業が認められれば育休を取得しやすくなる一方、本人の意思によらず働くことになるとの懸念があるようです。

 出生時育休中の就業は、労使協定の締結が前提です(育介法9条の5第2項)。就業させることができる者を労使協定で定める際、繁忙期等の時期に取得する者等に限定することは可能です(厚生労働省Q&A)。ただ、この場合でも、…

回答の続きはこちら
2022.10.28 【厚生年金保険法】

再就職手当も調整あるか 60歳前半の厚生年金受給

キーワード:
  • 再就職手当
  • 老齢厚生年金
Q

 60歳代前半の人を雇用することになりました。すでに特別支給の老齢厚生年金は受給可能な状況ですが、雇用保険の基本手当をもらいながら求職活動をされていたとのことです。高年齢再就職給付金は要件の関係で受給できないものの、再就職手当の要件は満たせそうなのですが、再就職手当と老齢厚生年金で調整はあるのでしょうか。【埼玉・B社】

A

対象外で停止にはならず 基本手当は月1日でも

 65歳になる前の老齢厚生年金は、受給中、さらに失業等で雇用保険の基本手当の支給を受けようとすると、実際に受けたかにかかわらず、老齢厚生年金の方を停止する仕組みとなっています(厚年法附則7条の4、法附則11条の5など)。老齢厚生年金は、規定の年齢に到達したことで支給される特別支給の老齢厚生年金だけでなく、繰上げ支給によるものも含みます。加給年金も対象です。

 支給停止される調整対象期間は、求職の申込みをした月の翌月から、①基本手当の受給期間が経過した月(受給期間満了日の翌日が属する月)または…

回答の続きはこちら
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。