『労働時間関係』の労働実務相談Q&A

NEW2024.04.26 【労働基準法】

災害対象だがどう違う? 建設業で時間外上限規制

キーワード:
  • 労働時間関係
  • 時間外労働
  • 災害
Q

 令和6年4月から建設業も原則的な時間外労働の上限規制の適用を受けるようになりましたが、災害時の復旧等は例外が認められています。災害関係では行政官庁の許可による時間外労働も認められていますが、両者はどのような違いがあるのでしょうか。【和歌山・S社】

A

人命確保等急務なら33条 専用の様式による届出を

 建設業では、災害時における復旧および復興の事業について、当分の間上限規制の例外を認めています(労基法附則139条)。専用の様式(様式9号の3の2または9号の3の3)で届出をすると、…

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2024.04.19 【労働基準法】

呼出し以降はすべて労働時間? 終業後出社を命じたら ケガすると業務上災害

キーワード:
  • 労働時間関係
  • 業務上災害
  • 通勤災害
Q

 終業後に帰宅した従業員にやむを得ず出社してもらう必要が出てきました。自宅等から会社までの移動時間は労働時間になるのでしょうか。こうした場合の移動中の災害は「業務上災害」になる可能性があることから、出社に応じたタイミングで所定外労働になってしまうのではないか心配です。【兵庫・R社】

A

自由利用の保障がカギ

 労災保険関係で、通勤災害ではなく業務上災害とした例に、突発事故のため休日出勤の呼出しを受け現場へ赴く途中の事故(昭24・1・19基収3375号)、悪天候の中、突発事故のため出勤督励を受けて現場へ向かう途中の事故(昭30・11・22基災収917号)等があります。

 この点からすれば、予定外の緊急出勤は、通常の通勤ではなく、自宅を出たときから特命のために供された時間であり、再出勤に要する時間も労働時間ではないかという疑問も生じます。

 労基法上の労働時間とは、「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもの」(労基法コンメンタール、最一小判平12・3・9)と解されています。労働契約、就業規則等の定めのいかんで決定されるべきものではないとしています。

 移動時間が労働時間に該当するかは実態判断になりますが、…

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2024.03.27 【労働基準法】

実労働時間は引き継ぐか 清算期間途中の異動なら

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 育休中の従業員が来月復職予定でしたが、保育園の関係で育休延長となりました。隣の県の事業場の者を異動させようと検討中です。そちらも当事業場も清算期間が3カ月のフレックスタイム制ですが、清算期間途中の異動の場合、実労働時間は通算しますか。【石川・O社】

A

事業場ごとに途中清算を 適用日数で法定総枠求める

 フレックスタイム制は、始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねる制度です(労基法32条の3)。導入には労使協定の締結が必要で、清算期間(労働者が労働すべき時間を定める期間)などを規定します。清算期間は3カ月以内です。

 労基法上、時間外労働となるのは、清算期間において、①実労働時間が法定労働時間の総枠(週平均40時間)を超えた部分です。これは清算期間終了月の時間外労働と扱われます。清算期間が1カ月超のときは、…

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2024.03.01 【労働基準法】

裁量制の同意撤回認めるか 申出期間を設けたい 令和6年4月から改正

キーワード:
  • 労働時間関係
  • 裁量労働制
Q

 当社は、専門業務型裁量労働制を採用しています。令和6年4月の法改正により、適用するには本人の同意が必要になります。同意の撤回が可能ということですが、協定期間内の撤回を認める必要はあるのでしょうか。撤回に伴い業務への影響が懸念されますが、1カ月前までの申出等の要件を課すことは可能ですか。【兵庫・N社】

A

賃金計算期間で切替えも

 専門業務型裁量労働制の適用に当たって労働者本人の同意を得なければなりません(労基法38条の3第1項6号)。同意は、労働者ごとに、かつ労使協定の有効期間ごとに得る必要があります(令5・8・2基発0802第7号)。同意は書面には限りませんが、記録保存義務があることを考慮する必要があります。

 労使協定の締結事項に、…

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2024.02.16 【労働基準法】

出向先の36協定適用か 過半数代表どう選出 分母となる労働者数

キーワード:
  • 36協定
  • 出向
  • 労働時間関係
Q

 出向者の始業終業時刻は、出向先の就業規則が適用されますが、時間外・休日労働(36)協定も「先」の協定が適用されると考えて良いのでしょうか。仮に「先」だとして、過半数代表者の分母はどのように選出すれば良いのでしょうか。【愛知・S社】

A

「先」従業員として扱う

 在籍型出向とは、出向元および先事業主双方との間に雇用契約関係があり、「出向先事業主と労働者との間の雇用契約関係は通常の雇用契約関係とは異なる独特のもの」(派遣業務取扱要領)と解されています。形態としては、出向中は休職となり、身分関係のみが出向元事業主との関係で残っていると認められるもの、身分関係が残っているだけでなく、出向中も出向元事業主が賃金の一部について支払義務を負うもの等多様なものがあります。…

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