『賃金関係』の労働実務相談Q&A

2025.06.27 【労働基準法】

退職金も7日以内に支払う? 労働者が賃金請求 先延ばしはできるか

キーワード:
  • 賃金関係
  • 退職金
Q

 会社の借上げ社宅から従業員が突然いなくなってしまいました。部屋には書置きが残されていて、働いた分の賃金を支払ってほしいと書いてありました。退職者の請求があれば早期の賃金支払いに応じる必要があることは理解していますが、一方で退職金については、このような場合、退職の経緯なども勘案して、減額して支給時期を先延ばししても問題はないでしょうか。【神奈川・E社】

A

規定の支払期日までで可

 労働者が退職や死亡した場合において、権利者から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、その他労働者の権利に属する金品を返還する必要があります(労基法23条)。退職した労働者に対しては、使用者に賃金等を迅速に返還させないと、労働者の足止め策に利用されることなどから、賃金支払い等の清算のために必要な規定と解されています(労基法コンメンタール)。

 返還の請求の仕方について労基法はとくに規定していませんが、…

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2025.06.06 【労働基準法】

所定労働時間働き賃金満額か フレックス制で欠勤 コアタイムをどう扱う

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 賃金関係
Q

 フレックスタイム制で月の前半がオーバーワーク気味になった結果、月の所定労働時間の総枠に達する見込みの従業員がいます。本人から、総枠に達したらもう働かなくても良いでしょうかという申出がありました。所定労働時間の時間数を満たしている以上、コアタイムの欠勤控除もできないのでしょうか。【大阪・S社】

A

「出勤」自由とはいえず

 フレックス制の法定労働時間の総枠は、月の暦日数で決まります。月の前半で長時間働けば、1カ月で予定している所定労働時間や法定労働時間の総枠に早々に達してしまうことがあります。

 始業終業時刻の決定が労働者に委ねられている以上、業務命令により、フレキシブルタイム(労働者の選択により労働することができる時間帯)に…

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2025.04.18 【労働基準法】

1カ月変形で副業して残業代は 割増賃金への影響 時間把握可能な前提

キーワード:
  • 副業・兼業
  • 賃金関係
Q

 グループ企業内で、副業・兼業の拡大を図ります。賃金の締切日等は同じで、複数会社での労働時間の把握も容易です。「原則的な通算労働時間管理の方法」を採用したいと考えていますが、一部の会社では1カ月単位変形労働時間制を導入しています。この場合、割増賃金の計算に、どのような影響が及ぶのでしょうか。【埼玉・R社】

A

通算して法定外が発生

 労働時間の通算方法は2とおりありますが、そのうち「原則的な管理の方法」では、2事業場で発生する実労働時間を把握し、時間外労働となる部分を確定させます。労働時間管理等の手続きは煩雑になりますが、「管理モデル」に比べ、割増賃金の支払額が抑えられる可能性があります。

 「副業・兼業ガイドライン(令4・7改定)」によると、まず、…

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2025.04.04 【労働基準法】

ケガした日の補償どうする 8割支給で問題あるか 労災保険給付考慮して

キーワード:
  • 休業補償
  • 賃金関係
Q

 従業員が業務中に軽いケガをしたので、病院経由で帰宅するよう指示しました。こうした場合、当日の賃金をカットしない扱いとなっています。しかし、新任の部長から「ケガの程度に関係なく、100%の賃金を補償するのはいかがなものか。たとえば、80%(労災の特別支給金も考慮した水準)という処理もあるのでは」との意見が出ました。一律8割とした場合、問題があるでしょうか。【新潟・T社】

A

残業多い場合は検証必要

 事故当日、帰宅させたということですが、ケガの程度によっては、治療後、業務に復帰できた可能性もあります。従業員への配慮として(会社の判断で)「労務を免除」したのなら、賃金はそのまま支払う(働いたとみなす)のが通常でしょう。

 実際に、労務不能だったとします。この場合、「賃金カットしない」という会社と「法の最低基準を支払う」という会社と、大きく2種類に分かれるでしょう。

 事故後、労災保険における待期期間については、…

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2025.03.28 【労働基準法】

平均賃金の計算期間にズレ? 残業代は翌月払い 過去3カ月をどう計算

キーワード:
  • 割増賃金
  • 解雇予告
  • 賃金関係
Q

 勤務不良で、注意・指導を繰り返しても改善しない従業員を解雇します。解雇予告手当を払うために平均賃金を計算しますが、当社の賃金制度では、割増賃金部分は1カ月遅れで清算しています。単純に過去3カ月の賃金支払額を合計すると、基準内賃金と割増賃金部分では、賃金計算の対象期間に1カ月のズレが生じます。対象部分をそろえる形で、修正を実施すべきでしょうか。【香川・W社】

A

直近締切日から一律遡る

 平均賃金は、原則として「算定事由の発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額を、その期間の総日数で除して」計算します(労基法12条)。ただし、賃金締切日があるときは、その直前の締切日から3カ月が算定対象期間となります。

 たとえば、3月の賃金締切日の後に解雇を予告したとします。貴社の賃金制度の場合、基準内賃金部分については、1~3月の3カ月を集計します。しかし、…

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