『労働契約関係』の労働実務相談Q&A

2024.02.27 【労働基準法】

通知方法の注意点は 労働条件メール等で明示

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 労働条件
Q

 従業員の入れ替わりもそれなりにあることから、労働条件通知書を電子化することができないかと考えています。現在は、FAXや電子メール、メッセージアプリで送る方法も認められていると聞いたことがありますが、たとえば送信の方法や労働者の出力環境への配慮など、どのような点に注意することが必要なのでしょうか。【京都・K社】

A

一般的に出力が可能な状態なら

 労働契約の締結時には、労働時間などの労働条件を明示しなければなりません(労基法15条)。その方法は、原則書面です(労基則5条4項)。ただし、労働者から希望があれば、電子メール等による方法も、紙へ記録を出力し書面を作成できるものに限り、認められています。

 電子メール等には、パソコンや携帯電話端末によるもののほか、SNSのメッセージ機能なども含みます(平31・4「改正労働基準法に関するQ&A」)。PDF等を添付する方法を勧めており、…

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2024.02.13 【労働基準法】

労働条件は変更できるか 通知書渡して明示した後

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 労働条件
Q

 労働者の募集をしたところ、新卒の方から応募があり、採用内定を出しました。その際に労働条件通知書も渡したものの、その後、経営環境に変化があり、明示した業務とは別の仕事に就いてもらいたい状況となりました。それに伴い労働時間なども若干異なることになるのですが、採用内定時に示した労働条件を変更することはできるものなのでしょうか。【神奈川・B社】

A

合意を得て変えること可 内定取消しの扱いに注意

 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者へ一定の労働条件を明示しなければならないとしています(労基法15条)。具体的には、賃金や、始業・終業時刻等の労働時間などに関する事項です(労基則5条1項)。

 令和5年3月の省令改正により、就業の場所と従事すべき業務について、従来は雇入れ直後の場所と業務を明示すればよいとされていたところ、6年4月以降は、その変更の範囲も併せて示すことが必要になりました。また、…

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2024.01.26 【労働基準法】

上限年齢定める方法は? 契約更新を繰り返す 期間や回数以外の方法

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 有期労働契約
Q

 有期労働契約を長期間反復更新している従業員がいます。正社員には定年年齢があることとの関係で、更新上限の年齢を定める方法は可能でしょうか。通算契約期間や回数は可能のようですが、年齢を年数に置き換えて書くべきなのでしょうか。【神奈川・R社】

A

誕生日など具体的日付も

 令和6年4月から労働条件の明示ルールが変更され、有期労働契約の従業員に対して、①更新上限がある場合の明示(改正労基則5条1項1号の2)と、②労働契約の締結後、更新上限を新設・短縮する場合の説明(令5・3・30厚労省告示114号)が必要になります。なお、直近で勤続年数の上限を定めている企業の割合は14.2%、同じく契約更新回数の上限は11.0%に留まります(厚生労働省「令和2年有期労働契約に関する実態調査」)。

 令和6年4月以降も更新上限を設けないのであれば、明示は不要です(厚労省Q&A)。厚労省のモデル労働条件通知書では、…

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2023.10.11 【労働基準法】

解雇制限は受けるのか? 休業期間中に定年迎える

キーワード:
  • 休業
  • 労働契約関係
  • 定年
Q

 65歳の定年が間近な正社員がいますが、仕事中負傷し休業中です。大事には至らなかったものの、このまま退職予定日を迎えた場合、労基法上、労働契約終了に制限はありますか。再雇用の相談も途中で、会社が認めた際の嘱託への変更はどうでしょうか。【広島・D社】

A

事由異なるため影響せず 就業規則や慣行など考慮も

 労基法19条の解雇制限が課されるのは、業務上負傷したり疾病にかかったりして療養のために休業する期間とその後30日間および法65条の産前産後休業を取得する期間とその後30日間です。

 前者は、業務上の傷病による休業なので、…

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2023.06.16 【労働基準法】

復職後も解雇制限適用あるか 業務上のケガで休む 通常どおり働くのは困難

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 解雇
Q

 ケガをして長期休職している従業員から、治ゆしたという診断書が出されました。ケガの影響が残っている間は、労基法の解雇制限がかかったままなのでしょうか。これまでのように働かせることが困難で、他に任せられる仕事も見当たらないときにどうするか考えていて疑問に思いました。【石川・Y社】

A

症状固定なら制限解除

 使用者が解雇できないのは、労働者が業務上の傷病等により休業する期間およびその後30日間です(労基法19条)。療養のため休業する必要があるか否かは、一般には医師の証明するところによるべきと解されています(労基法コンメンタール)。出勤しながら一部通院する場合、解雇制限の適用はないとする説もあれば、反対説もあります。

 業務上の傷病かどうかは傷病と業務との因果関係が問題になり、労災法は業務災害に関して保険給付を行うとしています(法7条)。休業が長引いたときに、傷病補償年金や障害補償給付に切り替わることがあります。…

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