『解雇』の労働実務相談Q&A

2024.02.09 【労働基準法】

懲戒規定新設して処分できるか 非違行為発生した後 解雇やむなしの事案

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 解雇
Q

 非違行為があった従業員の懲戒解雇を検討していたところ、懲戒規定の内容があまり具体的ではありませんでした。仮にこれから規定を整備した場合に、新しい規定に基づく懲戒処分は認められるのでしょうか。あるいは懲戒解雇ではなく、普通解雇という選択肢はどうでしょうか。【広島・O社】

A

遡及適用は否定される

 懲戒処分が有効となるのは、「使用者が労働者を懲戒することができる場合」でなければならず、このため就業規則等で懲戒の理由となる事由とこれに対する懲戒の種類・程度が明記、周知されていなければなりません(最二小判平15・10・10)。

 懲戒の根拠規定は、それが設けられる以前の事犯に対して…

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2024.01.30 【雇用保険法】

重責解雇で失業給付は? 自己都合扱いとの相違

キーワード:
  • 失業給付
  • 解雇
  • 離職
Q

 横領した従業員を懲戒解雇することにしました。本人は、経歴にキズが残るのは避けたいということで自己都合として処理できないかといいます。会社として、本人の希望を聞くことは今のところ考えていません。ただ、離職票を作成するうえで失業給付の扱いが気になりました。いわゆる重責解雇であれば自己都合のように給付制限等があると考えていいのでしょうか。【福岡・U社】

A

給付制限期間に影響あり 所定休日数変わらず

 一般的に再就職の際に影響があり得るのは、労基法の退職時の証明等の記載内容でしょうか。ただ、離職に伴い雇用保険の被保険者資格を喪失する際に離職票の作成が必要となり、これに基づいていわゆる失業給付を何日分受けられるのか等が決まるため、離職理由をきちんと確認する必要があります。離職者本人の判断(離職理由に関する異議の有無)を記載する欄も設けられています。…

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2023.06.16 【労働基準法】

復職後も解雇制限適用あるか 業務上のケガで休む 通常どおり働くのは困難

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 解雇
Q

 ケガをして長期休職している従業員から、治ゆしたという診断書が出されました。ケガの影響が残っている間は、労基法の解雇制限がかかったままなのでしょうか。これまでのように働かせることが困難で、他に任せられる仕事も見当たらないときにどうするか考えていて疑問に思いました。【石川・Y社】

A

症状固定なら制限解除

 使用者が解雇できないのは、労働者が業務上の傷病等により休業する期間およびその後30日間です(労基法19条)。療養のため休業する必要があるか否かは、一般には医師の証明するところによるべきと解されています(労基法コンメンタール)。出勤しながら一部通院する場合、解雇制限の適用はないとする説もあれば、反対説もあります。

 業務上の傷病かどうかは傷病と業務との因果関係が問題になり、労災法は業務災害に関して保険給付を行うとしています(法7条)。休業が長引いたときに、傷病補償年金や障害補償給付に切り替わることがあります。…

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2023.04.18 【労働基準法】

解雇理由だけ証明? 予告期間後に交付でも

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 解雇
Q

 労働者を解雇することになり解雇予告をしたものの、退職日の直前になってから「解雇理由の証明書を発行してほしい」といわれました。“遅滞なく”とあるので早めに用意をしたいのですが、交付が退職日より後になってしまいそうです。この場合でも、退職時の証明書ではなく解雇理由証明書の交付で問題ないのでしょうか。【愛知・D社】

A

退職日の前に請求があれば

 労働者が退職の場合に、使用期間や賃金、退職の事由(解雇の際は、その理由を含む)などについて証明書の交付を請求したときは、使用者は遅滞なく交付しなければなりません(労基法22条1項)。また、解雇の場合には、解雇の予告日~退職の日(解雇予告期間)でも、労働者は解雇の理由についての証明書を請求でき、使用者は遅滞なく交付するとされています(同条2項)。つまり、解雇予告期間中は、退職時と異なり、解雇の理由のみ請求できることになります。…

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2022.07.15 【雇用保険法】

退職届出せば自己都合? 解雇してほしいと要望 失業給付の上乗せねらい

キーワード:
  • 解雇
  • 退職勧奨
Q

 問題がある従業員に退職を勧奨したところ、雇用保険の所定給付日数を多くしたいため、退職届等を出すつもりはなく解雇してほしいといいます。さらに、解雇でも「自分に落ち度はない」といいます。本人の希望を聞く形で解雇すべきでしょうか。【静岡・R社】

A

「特定受給」に該当可能性

 基本手当が何日支給されるかは、所定給付日数が何日あるかで決まります(雇保法22条)。解雇等で離職し特定受給資格者に該当すれば、自己都合退職と比べて給付日数は上乗せされます(雇保法23条2項)。たとえば、35歳以上45歳未満で、算定基礎期間(被保険者として雇用された期間)が10年以上20年未満のとき、自己都合退職が120日のところ、特定受給資格者は倍の240日といった具合です。単純に2倍になるわけではありませんが、こうした差があります。

 特定受給資格者になり得る解雇には、…

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