『安全管理』の労働実務相談Q&A

2023.09.12 【労働安全衛生法】

工作機械使用の留意点は 旋盤加工する町工場

キーワード:
  • 安全管理
Q

 町工場を経営しています。待遇などなかなか行き届きませんが、一番の従業員対策は安全管理であると心得ています。危険作業でないことをアピールできれば、採用対策にもなると考えています。工場では旋盤など工作機械を用いて作業をします。機械を安全に使用するうえで、留意点があればご教示ください。【神奈川・M社】

A

インターロックが望ましい 運転を制限して安全確保

 厚生労働省は労働安全衛生法28条1項の規定に基づき、工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針(昭50・10・18指針公示4号など)を公表しています。

(1)総則

① 設計時の基本的留意事項

 製造者は、工作機械の設計に当たっては、外面に危険な部分がないことをはじめ、必要な強度を有すること。人間工学的な配慮により作業の安全性を確保すること。保全性を確保することなどについて留意することとしています。さらに、事業者は、工作機械の発注に当たっては、前述事項を配慮し、この指針に基づく必要な安全に関する条件を発注書に明示するように努めることとしています。

 各論として、動力しゃ断装置、ブレーキ、覆い等、切削くず処理装置、過走、誤作動等に対する安全装置について具体的な処置や構造が示され、操作または調整を安全にするための措置、保全を容易にするための措置を求めています。さらに、電気装置、油圧装置および空気圧装置について、別掲で処置と構造が示されています。…

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2022.05.10 【労働安全衛生法】

監督指導対応の留意点は 「心得」あれば知りたい

キーワード:
  • 安全管理
  • 衛生管理
  • 長時間労働
Q

 働き方改革の影響か労働時間管理などを含め安全衛生に係る行政指導も、製造業や建設業に限らず厳格に行われるようです。当社は安全衛生管理につきまして、健康診断、ストレスチェック、各種委員会活動の実施などを進めているつもりですが、安全衛生課の調査を受けたことはありません。念のため心得などをご指導ください。【東京・N社】

A

リスクアセス実施が重要 是正時期はっきり明示

安全衛生課の主な仕事

 労働基準監督署は、厚生労働省の第一線機関であり、 現在、全国に321署があります。「安全衛生課」は、機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行うこととされています。

 安全衛生課は労働安全衛生法違反を取り締まります。働く人の安全と健康を確保するための措置が講じられるよう事業場への指導などを行っています。具体的には、機械の検査や建設工事に関する計画届の審査、事業場に立ち入っての、職場の健康診断実施状況、有害な化学物質の取扱いに関する措置の確認などを行っています。また、労災の調査の過程で労働基準監督署長が悪質と判断して、労災課からの情報提供で監督課や安全衛生課が動くという可能性もあります。労働安全衛生法違反を指摘されると、労働基準法違反同様、事業者が書類送検される可能性もあります。厚労省「令和2年労働基準監督年報」の送検事件状況によれば、安衛法20条(設備等)、法21条(作業方法)の送検検数は、いずれも前年度を上回っていました。

 最近の労基署の立入り調査では、…

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2022.04.29 【安全管理】

機械に必要な安全装置は プレス加工の危険性

キーワード:
  • 安全管理
Q

 プレス加工機械の安全装置はどのようなものですか。例えば、危険な箇所に手などが入らない囲いなどは思い浮かびますが……。【岐阜・M社】

A

両手起動と光電管あり 「急停止装置」有無を確認

1.プレス機械の「機械安全」

 プレス機械による加工時にプレス上型と下型の間に手を入れることは非常に危険です。安全囲い等により「ノー・ハンド・イン・ダイ」の措置を講じる必要があります。型の段取作業等のため、「ハンド・イン・ダイ」作業となる場合の危険防止としては、安全プレスの使用を検討します。

 以上の措置が困難な場合は、以下の要件に適合する安全装置の取付け等による災害防止措置を講じる必要があります。…

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2022.03.03 【安全管理】

プレス機械の安全管理は 挟まれ巻き込まれが心配

キーワード:
  • 安全管理
Q

 プレス機械の安全管理はどのように進めると良いですか。挟まれ、巻き込まれ事故が心配です。【埼玉・M社】

A

メーカーとリスク共有を 除去できない危険源残る

1 「機械安全」と「職場安全」

 プレスに限らず機械設備を用いた加工現場では、危険源を除去した「機械安全」を達成した設備を導入して、ルールに則り作業する「作業安全」を図ることで「職場の安全」を実現することができます。しかし、素材を加工する機械設備の加工点には大きな力が加わるため、機械設備が絶対に安全とはいい切れません。に示すように、製造業での「設備への『挟まれ、巻き込まれ』による事故」は毎年多数発生しています。…

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2019.11.17

なぜ2種類になったのか ショックアブソーバ規格 フルハーネス型安全帯

キーワード:
  • 安全管理
Q

 今年からフルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)を装着する場合、特別教育が義務化されたと聞き受講してきました。その際、腰より高い位置にフックをかける場合は第一種、足元にかける場合は第二種と教わりましたが、2種類となったことについての理由や背景を教えてください。【兵庫・E社】

A

日本人の体格などに配慮 フルハーネス型へ移行

 平成31年2月1日施行の安全帯新規格では、第一種と第二種いずれかのショックアブソーバを、必ずランヤード(命綱)に装着する必要があります。ショックアブソーバとは、ベルトを折りたたんで糸で縫い付けたもので、その糸がビリビリ破れていくことで墜落制止時に生じる衝撃を緩和する器具です。ただし、2022年1月1日までは、(ショックアブソーバのないものを含む)旧規格安全帯の使用を可能とする経過処置が設定されています。

 新規格安全帯の詳細は、…

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