2020年12月配信の人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

2020.12.31 【交通事故処理】

入院付添で損害賠償は? 子を見舞うために退職

キーワード:
Q

 女子大生(20歳)が、横断歩道を横断中にY運転の乗用車にはねられて脊髄を損傷し、随意運動が全くできなくなるという障害を負いました。看護師をしていた母親は、10カ月にわたる入院期間中、毎日、付添をしていたため、勤務先を退職せざるを得なかったといいます。被害者は加害者に対し、入院期間中の付添監護費用相当額としてどの程度の損害賠償を求めることができるでしょうか。【京都・K子】

A

1日1万円弱へ上乗せも 障害やリハビリ理由なら

 入院中の受傷者の介護・介助をするために近親者が付添をした場合、職業的な付添人を雇った場合と異なり、現実的な費用の支出はありませんが、それは親族間の恩情に基づき費用を請求していないからであり、そのような恩情の結果を加害者に及ぼして加害者が付添看護によって被害者側に発生した損害の賠償を免れるのは公平に反します。そこで、現在の裁判実務では、被害者の近親者によって…

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2020.12.30 【雇用保険法】

高年齢給付が大幅縮小? 定年後の賃金に影響あり

キーワード:
  • 再雇用
  • 高年齢雇用継続給付
Q

 以前、新聞等で、「法改正により、高年齢雇用継続給付金を大幅に縮小する」というニュースが報道されていました。この問題は、再雇用者の処遇見直しを検討するうえで、重要なファクターとなります。最終的に、改正は決定したのでしょうか。どのようなスケジュールで、縮小が実施されるのでしょうか。【新潟・G社】

A

支給率は最大でも10% 65歳まで原則雇用され

 現在、再雇用等の高年齢者の生活設計は、賃金、年金、雇用保険(高年齢雇用継続給付)の3本柱で構成されています。

 年金は徐々に支給開始年齢が引き上げられていて、今年60歳定年を迎える男性は、64歳に達して初めて支給がスタートします。女性は62歳からです。

 雇用保険の高年齢雇用継続給付は、65歳までの雇用継続援助、…

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2020.12.29 【厚生年金保険法】

改定や併合には何がある 障害厚生年金の受給で

キーワード:
  • 障害厚生年金
Q

 当社には、家族が障害厚生年金を受給しているという従業員がいます。話を聞いていると、複数の障害が発生した場合の取扱いなどがさまざまに存在し、理解が追い付きません。従業員が受給するような事態となった場合に助言できるよう、整理し教えてもらえないでしょうか。【千葉・C社】

A

事後重症や基準障害など 新規受給は年齢へ注意

 障害厚生年金で、障害の増進や複数障害が関係してくるものには、新たに受給権が発生する①事後重症によるもの、②基準障害によるもの(いわゆる「初めて2級」)、すでに1~2級の障害厚生年金受給権者に関係する③併合に関するものがあります。

 まず、①事後重症による障害厚生年金(厚生法47条の2)は、疾病、負傷し障害Aが残ったものの、…

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2020.12.29 【健康保険法】

入社月に保険料かかるか 保険証渡されたのは翌月

キーワード:
  • パート
  • 社会保険
Q

 パートタイマーとして入社しましたが、採用時には社会保険に加入すると説明を受けました。ところが、なかなか手続きを進めてくれず、翌月も遅くになって、ようやく被保険者証を手渡されました。その後、給与明細をみると、しっかり保険料が控除されています。最初の月分の保険料を納める義務があるのでしょうか。【山口・T子】

A

月途中でも満額が必要 手続き遅れても取得日固定

 まず、健康保険加入の手続きを確認しましょう。資格取得の届出は、「当該事実があった日から5日以内」に、年金事務所(協会けんぽの場合)等に提出します(健保則24条)。

 「事実があった日」ですが、健康保険では…

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2020.12.28 【労災保険法】

実家に立ち寄り通災は? 母親が「要介護状態」で

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 当社の従業員は会社から自宅への帰宅途中において、1日おきに実家に立ち寄り、要介護状態にある母親の介護を行ってから帰宅しています。家族の介護という問題を多く耳にする中、このような移動が行われている場合の通勤災害についての考え方を教えてください。【埼玉・S社】

A

日常生活上必要な行為 合理的経路なら補償

1 労災保険法の規定

 労災保険法7条2項において、通勤とは、就業に関し、住居と就業の場所のほか、就業の場所から他の就業の場所や住居間を、合理的な経路および方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くとしています。同条3項では、労働者が、前項の往復の経路を逸脱し、または同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱または中断の間およびその後の同項の往復は、通勤とはしないとしています。

2 「逸脱」および「中断」および「日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるもの」の考え方

 通勤途中において、労働者が逸脱・中断した場合、…

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