積立年休の買上げ要求? 傷病時に限り取得可能 法定残日数は消化して退職

2012.04.16
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Q

 当社では、いわゆる「積立年休制度」を設け、傷病時に限り取得を認めています。近く自己都合退職する従業員が、法定の年休の残日数をすべて消化したうえで、退職する予定を組んでいます。それは仕方がないとして、さらに積立年休の残日数について買上げを要求しています。応じる必要があるのでしょうか。【山形・W社】

A

法上回る分だが義務なし

 年休は、「2年の消滅時効が認められる」とされています(昭22・12・15基発第150号)。期間内に年休を取得しなければ、権利が消滅してしまいます。

 しかし、時効消滅した年休を記録しておき、傷病者の利用を認める例も広くみられます。これを、「積立年休」といっています。傷病者は、法定の年休を取得した後、積立年休も消化し終わった段階で、欠勤または傷病休職となります。

 積立年休は、法所定の年休にプラスして付与する年休(法定外年休)と位置付けられます。法定外年休については、「その成立要件・法的効果などは当事者間の取決めに委ね」られます(菅野和夫「労働法」)。ただし、「その要件・効果について特別の定めがなされていない場合には、法定年休と同様の要件・効果(私法上の)が約定されたと解釈」されるので、注意が必要です。

 年休は、ストライキ使用を除き、利用目的に制限がないといわれます。しかし、積立年休の場合は、例えば「傷病」のみに使用目的を限ることも可能です。「50日を上限とする」「医師の診断書(会社が指定する医師の検診を命じることがある)の提出を条件とする」などのルールを定めることもできます。

 お尋ねにある従業員は、積立年休の買上げを求めています。法定年休については、「買上げの予約をし、これに基づいて年休残日数を減じ、ないし請求された日数を与えないことは法違反」と解されています(昭30・11・30基収第4718号)。

 一方、「本条が定める法定日数を超えて与えられている部分については、買上げをしても違反でない」(昭30・3・31基発第513号)とされています。だからといって、買上げをする義務もなく、傷病など所定の休暇取得事由がなければ、残日数分の積立年休利用を認める必要もありません。

※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。

平成24年4月16日第2869号16面 掲載

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