人事・労務・安全衛生の労働実務相談Q&A

 日常職場で発生するトラブルの処理の仕方、安全衛生の諸問題、人事労務制度の内容、労働関係法の解釈など、紙面に寄せられた労働に関する相談を掲載しています。

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2021.03.31 【雇用保険法】

支給停止の割合は固定か 継続給付と年金出るとき

キーワード:
  • 再雇用
  • 定年
  • 高年齢雇用継続給付
Q

 これまで、定年後の再雇用者に対して、「雇用保険から高年齢雇用継続給付が出る代わりに、年金の一部がカットされます。両者の比率は5対2です」と説明してきました。しかし、実際に受給する人の中には、「本当に、5対2という比率は正しいのか」と疑問を呈す人もいます。私の説明は、不正確だったのでしょうか。【宮崎・U社】

A

「5:2」でないことも 実賃金減っても最大15%で

 制度の基本思想として、高年齢雇用継続給付(雇保)は賃金の最大15%(賃金の低下率が61%以上75%未満のときは、15%から一定割合で逓減する率)が支給されます(雇保法61条)。

 一方、年金(厚年)は報酬の…

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2021.03.30 【厚生年金保険法】

遺族年金は父から子へ? 「転給できない」と説明

キーワード:
  • 遺族厚生年金
  • 遺族基礎年金
  • 遺族補償年金
Q

 先輩社員が退職し、社会保険関係の仕事を引き継ぐことになりました。年金の勉強をしていたところ、「遺族厚生年金の受給権者が失権しても、次順位者は受給権を取得できません」という記述をみつけました。しかし、母子家庭で母親が死亡しても、子供が引き続き年金をもらえるような気がします。仮に、父子家庭の場合、どうなるのでしょうか。【徳島・R社】

A

基礎年金も合わせ父受給 支給停止の状態解除に

 遺族に対する年金には、遺族補償年金(労災保険)、遺族厚生年金(厚生年金)、遺族基礎年金(国民年金)等があります。

 労災保険では「(受給権者が失権した場合、)後順位者があるときは、次順位者に年金を支給する」と規定しています(16条の4)。これを「転給」と呼んでいます。しかし、遺族厚生年金には、そうした規定は設けられておらず、「次順位者は受給権を得られない」という解釈になっています。…

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2021.03.30 【健康保険法】

別居の母親を扶養したい 入社以前は低収入で

キーワード:
  • 被扶養者
Q

 このたび採用した中堅社員は、「入社以前、独立起業を目指していたが、あまり収入のない状態が続いていた」という話です。安定した職に就いたということで、遠方の母親を健保の被扶養者にしたいと申出がありました。別居の母親でも、届け出れば問題なく認められるのでしょうか。【千葉・M社】

A

仕送り事実なければダメ 生計維持関係が必要で

 母親は「直系親族」ですから、「主として被保険者により生計を維持する」状態にあれば、被扶養者と認定されます(健保法3条7項)。同居は要件とされていません。

 ですから、お尋ねのケースでは、生計維持関係の有無を確認する必要があります。

 別居等の場合、対象家族が原則として次の基準を満たせば、被扶養者と認められます…

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2021.03.30 【労働基準法】

時間外はどの部分か 副業に管理モデル採用

キーワード:
  • 副業・兼業
  • 労働時間関係
  • 時間外労働
Q

 副業として働きたいという応募があり、本業先は管理モデルを採用したいと話をしていました。初歩にはなりますが、副業先は時間外労働をどう考えますか。【東京・K社】

A

所定内で発生する可能性も

 本業先(先契約使用者)と副業先(後契約使用者)の労働時間は通算されます(労基法38条)。各々の所定労働時間の定め方などで割増賃金が必要な時間外労働の部分が異なるなど煩雑さが伴います。

 法令遵守と労使双方の手続きの負担軽減のため提示されたのが、…

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2021.03.29 【労災保険法】

腰痛の業務性どう決まる 災害型と疲労蓄積型で

キーワード:
  • 労災認定
  • 腰痛
Q

 運送作業において従業員が2人で荷を持ち上げようとしたところ、テンポが合わずに一人が無理な体勢になって持ちこたえたため、腰に急激な痛みを訴えました。「急性腰痛症」との診断だったのですが、作業中の動作に起因する腰痛と日常的な荷物運搬作業の積み重ねによる腰痛について、労災補償の対象となる判断を教えてください。【東京・T社】

A

「重さ」や「時間」カギ 既往症あると判断困難

 腰痛は多数の原因または条件が競合して発症します。例えば、加齢、肥満、運動不足、偏った姿勢などの日常生活全般も原因の1つになりますし、仕事上での重量取扱い作業や、腰部に過度の負担がかかった場合なども腰痛の原因になります。発症した腰痛が業務上疾病に当たるか否かは、「認定基準」に示された一定の要件を満たしているかどうかで判断されます(昭51・10・16基発750号)。

1 「業務上疾病の範囲」と「認定基準」

 労基法75条2項において、業務上の疾病を厚生労働省で定めることとされていて、この規定に基づいて労基則別表第1の2の規定およびこれに基づく告示が定められ、その範囲を明確にしています。

2 「腰痛において認定基準に示された一定要件」

 腰痛は、「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」の2つに分類して、それぞれ労災認定されるための要件を示しています。

(1)災害性の原因による腰痛

 業務遂行中に生じた負傷(転倒・転落等による腰部の負傷)に伴って発症した腰痛や、業務遂行中に…

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