『労使協定』の労働実務相談Q&A

NEW2025.06.10 【労働基準法】

本社一括仕組み変わる? 労使協定など届け出る際

キーワード:
  • 36協定
  • 労使協定
  • 労務一般関係
Q

 労使協定の本社一括届出について、仕組みが変わったと聞きますが、どのように変わったのでしょうか。対象など注意点はありますか。【神奈川・G社】

A

同一でない場合も可能へ ポータルサイト経由なら

 労使協定等は、基本に事業場単位で届出などが必要ですが、本社一括届出が認められているものもあります。

 36協定届を例にとると、形態ごとに要件は異なるものの、今までも書面等による届出をする場合とe-Govから電子申請を行う場合に認められていました。このたび新たな解釈例規(令7・3・28基発0328第8号)が発出され、労働条件ポータルサイト「確かめよう 労働条件」の電子申請様式作成支援ツール(以下、ツール)を使用して電子申請を行う場合が追加されました。e-Govの場合よりも要件が緩和されています。

 先にe-Govの場合は、…

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2025.02.27 【育児・介護休業法】

労使協定周知なかった? 就業規則には除外規定

キーワード:
  • 労使協定
Q

 令和7年4月から順次、育児介護休業法の改正が予定されているため就業規則を確認していたところ、労使協定に基づき、対象から除外するという規定がありました。しかし、労使協定の有無が確認できません。周知されていない協定でも除外協定として効力を有するのでしょうか。【山口・T社】

A

対象者かどうか明らかに 4月から休暇関係見直し

 労使協定には、育介法に基づくもののほか、労基法や高年齢者法、派遣法等に基づくものがあります。一般的なものとして、時間外・休日労働(36)協定が挙げられます。労基法に基づく労使協定は、法律の条文で常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けたり、書面を交付すること等の方法で、労働者に周知させなければならないと規定しています(法106条)。周知を怠ると罰金刑の対象です。

 育介法で労使協定を締結する場面としては、育児・介護休業の適用除外(法6条)、育児・介護のための所定外労働の制限の適用除外(法16条の8)、育児・介護のための所定労働時間の短縮(法23条)等があります。その他、…

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2024.12.17 【労働基準法】

労使協定も必要か 遅刻等の際に賃金カット

キーワード:
  • 労使協定
  • 賃金関係
Q

 遅刻等に対して賃金をカットする場合、控除ということになって労使協定も必要になるのでしょうか。当社の規定の見直しを進めていたところ、賃金カットは就業規則の規定しかなく、控除に関する労使協定の対象に含まれていないため気になっています。【熊本・I社】

A

「控除」ではないため求められず

 全額払の原則は、履行期の到来している賃金債権について一部を差し引いて(控除して)支払うことを禁止しています(労基法24条)。例外として、社会保険料など法令に基づく場合のほか、労使協定の締結による控除を認めています。

 一方、労働者の自己都合による欠勤や遅刻があった際に、債務の本旨に従った労働の提供がなかった限度で賃金を支払わないことは、賃金債権が発生していないものであり、控除ではなく、法24条違反とはならないと解されています(労基法コンメンタール)。ご質問の場合は、労使協定までは必要ないといえます。

 なお、賃金カットは労働契約や就業規則に基づき…

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2024.11.29 【労働基準法】

過半数代表者は1人のみ? 規程変更や協定締結時 各部署から選びたいが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労務一般関係
  • 就業規則
  • 過半数代表
Q

 当社で育児・介護休業の規定や労使協定の見直しが必要な事態となりました。そもそもとして規定の内容自体が非常に複雑です。過半数代表者を1人とするのではなく、できれば各部署から複数人を選出したいと考えています。しかし、代表という文言からすると、問題があるのでしょうか。【山梨・U社】

A

複数選出も適法に可能

 過半数代表者の選任が必要になるのは、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合です。

 過半数代表者の選任手続きは、労基則6条の2に定められています。就業規則の作成・変更や労使協定を締結することを明らかにして投票、挙手等を実施する必要があります。「等」には、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が選任を支持していることが明確になる民主的手続きが該当すると解されています(平11・3・31基発169号)。使用者の意向に基づき指名された者でないことという要件も満たす必要があります(同条1項2号)。

 代表者の人数について、条文の「過半数を代表する者」という表現から、…

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2024.10.29 【労働基準法】

特定の時期どう異なる? 変形制には3種類あるが

キーワード:
  • 労使協定
  • 労働時間関係
  • 変形労働時間制
Q

 1年単位の変形労働時間制において、30日前までの労働時間の決定時に同意を得られないとどうなるでしょうか。また、他の変形制では、いつまでに決めるのがよいですか。【岡山・A社】

A

1年単位なら締結後でも 原則拒否許されない見解

 1カ月変形制(労基法32条の2)では、週平均40時間(法定労働時間)の範囲内で、各日・各週の所定労働時間を定められます。法定労働時間は、商業や接客娯楽業等で常時10人未満の労働者を使用する「特例措置対象事業場」は、44時間とできます。具体的には、変形期間の所定労働時間の合計を、法定労働時間×変形期間の暦日数÷7の範囲内とします。各日・各週の所定労働時間には上限はありません。勤務実態から毎月勤務割を作る必要がある場合は、就業規則で各直勤務の始業終業時刻や各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続きと周知方法等を定めておけば、変形期間の開始前までに具体的に特定することで足りるとしています(昭63・3・14基発150号)。

 1年変形制(法32条の4)でも、最終的には各日等の所定労働時間を特定しますが、…

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