『解雇』の労働実務相談Q&A

2025.06.26 【労働基準法】

予告期間中でも年休か? 未消化あればどうする

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 解雇
  • 解雇予告
Q

 ある労働者へ解雇の打診をした際、応じた際の年休の扱いを知りたいと聞かれました。解雇予告期間中でも取得可能でしょうか。未消化分の買上げなど調整は必要ですか。【広島・M社】

A

労働義務残り付与必要 事前の買上げとは異なる

 労基法上、解雇をする場合、少なくとも30日前までに予告をしなければならないとしています(法20条)。一方で、30日前までに解雇予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。解雇予告と併用する方法も認められており、平均賃金を支払った日数分、解雇予告の日数を短縮することもができます。

 次に、年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものです。休日その他労働義務の課せられていない日は取得する余地がないとされています(労基法コンメンタール)。また、…

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2024.10.15 【労働基準法】

「30日間」から短縮? 解雇予告後に業務上負傷

キーワード:
  • 休業
  • 労務一般関係
  • 解雇
  • 解雇予告
Q

 業績悪化で労働者を解雇することになり、合意が得られたため、1カ月前に解雇予告をしました。その予告の10日後、業務中に負傷して3日ほど休業が必要になりました。治った後30日間も解雇制限期間と聞きますが、この30日間について、予告日から負傷までの期間を短くするなどできるのでしょうか。 【青森・E社】

A

効力発生停止で期間経る必要が

 解雇をする際において、労基法上は、少なくとも30日前に予告をしなければならないとしています(労基法20条)。平均賃金を支払った日数分だけ予告日数を短縮することも可能とされています。

 一方で解雇制限の規定が法19条にあり、業務上の負傷や疾病で療養のために療養する期間とその後30日間は解雇できません。その後30日間は、…

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2024.02.09 【労働基準法】

懲戒規定新設して処分できるか 非違行為発生した後 解雇やむなしの事案

キーワード:
  • 労務一般関係
  • 解雇
Q

 非違行為があった従業員の懲戒解雇を検討していたところ、懲戒規定の内容があまり具体的ではありませんでした。仮にこれから規定を整備した場合に、新しい規定に基づく懲戒処分は認められるのでしょうか。あるいは懲戒解雇ではなく、普通解雇という選択肢はどうでしょうか。【広島・O社】

A

遡及適用は否定される

 懲戒処分が有効となるのは、「使用者が労働者を懲戒することができる場合」でなければならず、このため就業規則等で懲戒の理由となる事由とこれに対する懲戒の種類・程度が明記、周知されていなければなりません(最二小判平15・10・10)。

 懲戒の根拠規定は、それが設けられる以前の事犯に対して…

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2024.01.30 【雇用保険法】

重責解雇で失業給付は? 自己都合扱いとの相違

キーワード:
  • 失業給付
  • 解雇
  • 離職
Q

 横領した従業員を懲戒解雇することにしました。本人は、経歴にキズが残るのは避けたいということで自己都合として処理できないかといいます。会社として、本人の希望を聞くことは今のところ考えていません。ただ、離職票を作成するうえで失業給付の扱いが気になりました。いわゆる重責解雇であれば自己都合のように給付制限等があると考えていいのでしょうか。【福岡・U社】

A

給付制限期間に影響あり 所定休日数変わらず

 一般的に再就職の際に影響があり得るのは、労基法の退職時の証明等の記載内容でしょうか。ただ、離職に伴い雇用保険の被保険者資格を喪失する際に離職票の作成が必要となり、これに基づいていわゆる失業給付を何日分受けられるのか等が決まるため、離職理由をきちんと確認する必要があります。離職者本人の判断(離職理由に関する異議の有無)を記載する欄も設けられています。…

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2023.06.16 【労働基準法】

復職後も解雇制限適用あるか 業務上のケガで休む 通常どおり働くのは困難

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 解雇
Q

 ケガをして長期休職している従業員から、治ゆしたという診断書が出されました。ケガの影響が残っている間は、労基法の解雇制限がかかったままなのでしょうか。これまでのように働かせることが困難で、他に任せられる仕事も見当たらないときにどうするか考えていて疑問に思いました。【石川・Y社】

A

症状固定なら制限解除

 使用者が解雇できないのは、労働者が業務上の傷病等により休業する期間およびその後30日間です(労基法19条)。療養のため休業する必要があるか否かは、一般には医師の証明するところによるべきと解されています(労基法コンメンタール)。出勤しながら一部通院する場合、解雇制限の適用はないとする説もあれば、反対説もあります。

 業務上の傷病かどうかは傷病と業務との因果関係が問題になり、労災法は業務災害に関して保険給付を行うとしています(法7条)。休業が長引いたときに、傷病補償年金や障害補償給付に切り替わることがあります。…

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