5週間の総枠で割増計算? フレックス制を導入 コアタイム設けない方針

2012.06.11
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Q

 当社では、フレックスタイム制の導入を検討していますが、自主性の尊重という意味でコアタイムは設けず、より効率的な時間配分を自ら工夫してもらいます。できるだけ時間外割増の発生を避けるため、「フレックスタイム制における時間外労働の特例」の利用を考えていますが、可能でしょうか。【岐阜・K社】

A

労働時間一定せずダメ

 フレックスタイム制では、法定労働時間枠が月単位で設定されます。例えば、30日の月の総枠は、40時間×30日÷7日=171.4時間です。30日の月には、土日が8日ある場合(出勤22日)と9日ある場合(出勤21日)の2パターンが存在します。1日8時間を基準とすると、22日勤務(176時間)で総枠を超えてしまいます。

 常識的には時間外に該当するような労働がなくても、割増が必要になる理屈です。この不合理を避けるため、フレックスタイム制に限って特例が認められています。基本的な考え方は、翌月の最初の期間も含め5週間単位でみて、時間外の有無を判断するというものです(平9・3・31基発第228号)。30日の月の場合、翌月の5日までを1単位とします。

 5週間の総枠は40×35日÷7日=200時間となりますが、5週間には必ず土日が10日含まれます(25日出勤)。8時間×25日=200時間なので、通常出勤なら、問題なく総枠内に収まります。

 ただし、この特例を適用するには一定条件を満たす必要があります。

① 清算期間が1カ月単位
② 毎週2日以上休日付与
③ 清算期間の29日を起算日とする1週間(特定期間)の労働時間が40時間以下
④ 労働時間がおおむね一定で8時間以下

 フレックスタイム制といっても、日々の労働時間が大きく変動するタイプは該当しません。イメージ的には、始業・終業時刻が日々、繰り上がったり、繰り下がったりするうえに、時間が小幅に変動するといった感じでしょうか。

 貴社で導入予定の仕組みは、厳しくいえば、通達の定義を満たさないと判断される可能性が高いでしょう。

 労使がよく話し合ったうえで、専門・企画型裁量労働制の採用を検討するのも、有力な選択肢といえます。

※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。

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平成24年6月11日第2876号16面 掲載

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