『損害賠償』の労働実務相談Q&A

2025.06.30 【交通事故処理】

後行する車の不法行為? 無茶な運転する車に追突

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 私は、自動車を運転中に、先行車に追突する事故を起こしてしまいました。しかし、この事故は先行車の無謀な運転によって引き起こされたものであると考えています。それにもかかわらず不法行為に基づく損害賠償責任を負わなければならないのでしょうか。【静岡・K生】

A

故意に招いたか判断必要 ドラレコ映像が決め手

 後行車の運転者が先行車に追突する事故を起こした場合、その運転者には原則として一定の過失が認められ、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。

 しかし、事故について先行車が故意に招いたものであることが認められる場合には、後行車の運転者は損害賠償責任を負うことはありません。

 この点が問題になった裁判例(東京高判令4・3・23)があります。

 この高裁判決は、…

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2025.05.29 【交通事故処理】

「被害者請求」はできるか 被害・加害者双方を相続

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 私の父Aは、後妻Bとその間の子Cを同乗させて所有自動車を運転中、誤って海に転落し、3人ともに死亡しました。私は、Aと先妻の間の子であり、A、Cそれぞれの唯一の相続人に当たります。私は、Cの相続人として、自賠法16条1項の被害者請求により自賠責保険金の支払いを受けることができるでしょうか。【和歌山・K生】

A

相続放棄すれば可能に 請求権の混同消滅防ぐ

 結論としては、あなたがAの相続について相続放棄をしてその相続人にならないのであれば、Cの相続人として、自賠法の被害者請求をすることができますが、相続放棄をしない選択をするのであれば、請求をすることはできません。

 自賠法3条は、運行供用者がその運行によって他人の生命または身体を害したときは、…

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2025.04.29 【交通事故処理】

弁護士費用特約の対象か 事故対応をすべて依頼

キーワード:
  • 損害賠償
  • 通勤災害
Q

 通勤中に交通事故に遭い、労災手続きも含め、交通事故に関する対応すべてを弁護士に依頼しました。先行して労災保険給付を受領し、後で保険会社から損害賠償金の支払いを受けました。労災保険給付分を含めた経済的利益に基づく弁護士報酬の支払いを弁護士費用特約の保険会社にお願いしたところ、労災保険給付分は、支払対象となる弁護士報酬の対象外であるといわれ、私が受領した損害賠償金の中から弁護士報酬を支払うことになりました。労災保険給付分は私が被った損害に充当されるため、労災手続きについての弁護士報酬は弁護士費用特約の支払対象になるのではないでしょうか。【千葉・T生】

A

労災手続きは含まれない 示談や訴訟費用が対象で

 各保険会社の約款等には弁護士費用特約の支払対象となる弁護士報酬は、弁護士が行った、一定の交通事故に関する損害賠償請求の示談または調停もしくは訴訟手続きによって取得することができた金額を経済的利益とし、それに基づいて算定するという定めがある場合が多いです。このような定めがある場合、労災保険に関する手続きをすべて弁護士に委任した結果、特別支給金を除く労災保険給付分が被害者の損害に充当されたとしても、…

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2025.03.31 【交通事故処理】

二次障害の賠償求めたい 入院長く車いす生活に

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 私の83歳の父が交通事故にあい、肝破裂等の重い傷害を受けました。事故当時、足のケガはありませんでしたが、事故後の長期の入院治療の結果、歩行が困難になったため、車いす生活になってしまいました。このような二次障害についても損害賠償の対象になりますか。【東京・S生】

A

介護費用認めた裁判あり 長期臥床を余儀なくされ

 事故により直接当該部位に損傷が生じていなかったとしても、二次障害として、事故との相当因果関係が認められれば、損害賠償の対象となります。

 原疾患の治療中に、臥床などによる身体活動低下により引き起こされる病的状態(二次障害)を廃用症候群といいます。二次障害の部位に事故による直接の損傷がなかったとしても、直ちに事故との相当因果関係が否定されるものではありません。

 この点につき、事故当時…

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2025.02.28 【交通事故処理】

聴覚障害あり逸失利益は 年少者の収入をどう算定

キーワード:
  • 損害賠償
Q

 聴覚障害のある11歳の娘が交通事故に遭い亡くなりました。加害者に対して、娘が生きていれば得られたはずの収入について、どのような請求ができるでしょうか。【神奈川・I生】

A

減額する理由なしと判決 労働能力の制限を認めず

 交通事故の被害者が加害者に対して請求する損害には、治療費や慰謝料のほかに、被害者が事故に遭わなければ得られたはずの利益、すなわち逸失利益が挙げられます。

 死亡事故における逸失利益は、事故当時に現に得ていた収入を基準に、67歳まで働く場合を想定した稼働期間を乗じて求められます(ただし、その間の生活に要する費用は控除されます)。

 年少者などの未就労の方が亡くなった場合には、通常、…

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