規程なくても短時間勤務? 7月1日に改正法施行 100人以下企業で対応遅れ

2012.05.28
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

Q

 私は、まもなく育児休業から復帰する予定です。実は、引き続き育児短時間勤務制度の利用を希望しているのですが、会社はまだ育介休業規程の改正措置を講じていません。未整備のまま、7月1日を迎えた場合、どうしたらよいのでしょうか。【京都・Y子】

A

骨格ないと運用できない

 改正育介休業法は平成24年7月1日から全面施行され、現在適用猶予の対象となっている100人以下企業も対応を急ぐ必要があります。規定の整備が求められる事項(義務事項)は、次の3つです。

① 介護休暇
② 所定外労働の制限
③ 育児短時間勤務(所定外労働の短縮措置等)

 100人以下企業の事業主の中には、「全面施行後、改正法に基づく請求があれば、認めるにやぶさかではない。しかし、育介休業規程の整備等にはとても手が回らない」という方もおられます。

 規程未整備の場合、会社と従業員間にどのような権利・義務が発生するか、解釈例規(平21・12・28雇児発第1228第2号)をみてみましょう。

 ①②に関しては、「法律上、(介護休暇・所定外労働の制限の)制度が事業所内制度として設けられることが労働者の権利行使に当たって必須のものであるとはいえないが、労働者の理解促進のため、就業規則等に記載し、制度の存在が明らかになっていることが必要」と述べています。

 一方、③については、「労働者の権利は、事業主が所定労働時間の短縮措置を講じ、当該措置が労働契約の内容となってはじめて発生するものであり、育介休業法第23条第1項から直接発生するものではない」と注意を促しています。

 所定労働時間の短縮措置等の場合、最低限守るべき法的基準は存在しますが、それを満たす限り、制度設計には様ざまなタイプが考えられます。

 例えば、所定労働時間を6時間に短縮したとして、始業・終業時刻をどう定めるか、という問題が挙げられます。「午後2時間早帰りする」「午前・午後それぞれ1時間短縮する」等の選択については労使がよく話し合って決めるべきです。

 全面施行までに、「事業所内制度」の骨格を策定するよう事業主に求める必要があります。

※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。

関連キーワード:
平成24年5月28日第2874号16面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。